中国電力とJパワー(電源開発)の両社は31日、電力の販売子会社を設立すると発表した。当面は昨年4月から運営している日本卸電力取引所向けに電力を供給するが、将来は他の電力会社の営業エリアに小売りすることも視野に入れている。電力の小売り自由化スタートから6年以上経過するが、既存電力の営業エリアを越えての域外供給はまだ1件にとどまっている。新会社の設立を機に電力会社間の競争が一気に本格化する可能性もありそうだ。
新会社の名称は「瀬戸内パワー(仮称)」。8月をめどに広島市に設立する。資本金は1億円で、両社が折半で出資する。当面、両社から数万キロワットの電力供給を受け、電力会社や新規参入事業者が電力を売り買いしている卸電力取引所向けに販売する。
一方、数年後をめどに、中国電は新会社に一部の発電設備を譲渡する。新会社は自前の電源を確保することになり、Jパワーから購入した電力と合わせて卸電力取引所に供給。さらに自らが小売り事業者となり、個別の顧客に対して電力を販売する。
両社は電力の販売先について、「(中国電の)域内、域外を問わない」としており、事実上、新会社を通じて中国電以外の電力会社の営業エリアに電力を供給することを狙っている。
Jパワーは、全国の電力会社向けに電力を卸供給している。ただ、卸電力取引所の運営が始まり、電力の調達手段が多様化するなかで新たな顧客開拓が課題となっていた。一方、中国電にとっても電力の販売子会社によって、他電力の市場開拓を機動的に進められるメリットがある。
両社は石炭火力の二酸化炭素排出量を低減する石炭ガス化の技術協力について、昨年夏から検討を進めていたが、そのなかで販売子会社の設立が浮上したという。