保険金の不払いや契約水増しが発覚し、金融庁から一部業務の停止命令と業務改善命令を受けた大手損害保険会社、損害保険ジャパンは2日、平野浩志社長が会長に就任する人事を撤回し、同日付で辞任したと発表した。顧問などにも就かず、経営から完全に離れる。経営責任を問う批判が社内外で高まり、引責辞任に追い込まれた。これに伴い社長に内定していた佐藤正敏常務が同日付で就任した。
副社長3人が顧問や関連会社の会長・社長に転身する人事も撤回、同日付で辞任することも発表した。平野氏を含めた4人の退職金は当面支払わない。
損保ジャパンの不払いなどの問題では、過剰なノルマを設定した上、平野氏が自ら部下に目標達成を迫るメールを送って営業現場に圧力をかけていたなどとして、金融庁は5月25日に、6月12日から2週間の業務停止命令と業務改善命令を出した。これに伴い、役職員の責任や法令順守策を示した業務改善計画を6月26日までに提出するよう求めていた。
平野氏は金融庁の処分発表後の会見で、会長就任後の活動に意欲を示す一方、「進退を含めて業務改善計画で示したい」と人事撤回の可能性を示唆。5月31日には日本経団連の財政制度委員長の就任を辞退していた。