来年にかけて外資系高級ホテルの東京進出が相次いでいる。建築基準法の容積率緩和で大規模開発が進んでいることが背景だが、業界では「07年問題」と呼ばれ、過当競争を心配する声も上がる。迎え撃つ既存のホテルも、改装や接客サービスの向上で対抗しようと懸命だ。華やかさの陰で過酷なサバイバルゲームが繰り広げられている。
◇ぜいたくな時間すごしたい…日本人の利用も好調
昨年12月、東京・日本橋に開業した「マンダリンオリエンタル東京」(179室)。森の中のイメージで統一された室内と都心の眺望が売りだ。中心的な宿泊料金は1泊6万5100~7万3500円だが「開業1カ月の売上高は、グループの開業成績でも断トツ」(早川千恵コミュニケーションズ部長)と上々の滑り出し。
07年3月には、六本木に誕生する大規模複合施設「東京ミッドタウン」内の超高層複合ビルに「ザ・リッツ・カールトン東京」(248室)が開業。最上級のスイートルームは1泊200万円程度の見込みだ。
高級ホテルは1泊5万円以上だが、日本人の利用も好調。「ぜいたくな時間を過ごしたいという潜在的な需要が顕在化した」(ホテル関係者)という。三菱総合研究所の小野由理主任研究員は「容積率緩和などで進む大型再開発プロジェクトの華としてホテル誘致が進んだ」と解説する。
◇国内勢、大規模なリニューアルで対抗
一方、国内勢は大規模なリニューアルで対抗。内幸町の帝国ホテル東京(1019室)は03年12月、総額170億円をかけ約15年ぶりの本館リニューアルに着手。14~16階のエレベーターホールと廊下の間にカードキー式のドアを設置し、安全対策を強化した。
港区のホテルオークラ東京(834室)も03年度から6年間の計画で約110億円を投じて改装。05年3月にはスパ付き客室もオープンした。
日本人の心に届く接客サービスも国内勢の武器。オークラでは、スタッフが宿泊客らとすれ違う際に立ち止まって一礼するように指導し、客からも「礼儀正しくて気持ちがいい」と好評だ。
JTB東日本国内商品事業部の真崎昌久地域担当部長は「互いが刺激し合うことでサービスの質が向上している。ただ、東京は人件費が高く、優秀なスタッフを集めるにはコストがかかる」と指摘している。