WSJ-ウォルマートのスコットCEO、株主総会で強気の戦略を発表
米小売りチェーン大手ウォルマート・ストアーズ(NYSE:WMT)のリー・スコット最高経営責任者(CEO)は2日、アーカンソー大学のウォルトンアリーナで開いた年次株主総会で、環境保護や労働条件の改善、外国事業の拡大など5つの柱から成る新戦略の概要を説明した。
昨年の株主総会でスコット氏は、労働組合の支持を受け数百万ドルをかけた、同社の経営方針に苦言を呈するキャンペーンを非難していた。だが今年はこうした動きには触れず、「ウォルマート・アウト・イン・フロント(競争でリードする)」と題した新たな計画について説明した。これは同社従業員が、昨年ルイジアナ州を襲ったハリケーン「カトリーナ」の被災者を支援しようとする動きから生まれたものだという。
この計画ではまず、各店舗が品ぞろえの工夫をして、富裕層の消費者に食品以外の商品も購入してもらえるようにすることを目指している。このためには、実験店舗の開設を増やす必要がありそうだ。これまでに、テキサス州プレーノーで富裕層向けに、またシカゴ郊外で都市部のマイノリティー向けに、実験店舗を開設した。スコット氏は「数カ月以内に実験的な店舗を増やし、ヒスパニックや遠隔地の消費者、ベビーブーマーにとっての当社の魅力を高めたい」と語った。
第2に、従業員向け医療保険の適用対象を拡大するなど、これまでに発表した対策を通じて労働条件を改善する。第3に、在庫コスト削減などにより事業運営を改善し効率化を目指す。
第4に、外国事業を拡大する。同社が事業を展開しているのは、1年前の11カ国から、現在は15カ国に増えている。また同社は2年前からインド政府に、同国進出について掛け合っている。スコット氏は「小売りセクターへの外国直接投資(FDI)について、同国政府が開放を進めるよう期待している」と述べた。
第5に、同社のトラック7000台のアイドリングを禁止するなど、環境維持に取り組む。アイドリング禁止により、年間、ディーゼル燃料を1000万ガロン節約できるうえ、二酸化炭素排出量を10万トン削減できる。スコット氏は「企業は、効率化と環境への配慮を両立させることが可能だ」との考えを示した。
この日の株主総会では、取締役11人を再任したほか、新たに2人を選出した。また、同社の政治献金の情報開示を義務づける案(賛成10.9%)、取締役の選出には相対多数ではなく絶対多数の得票を必要とする案(賛成22.4%)を含む6件の提案が否決された。
スコット氏の講演に先立ち、トム・ショーイ最高財務責任者(CFO)は「負債比率は現在の42%から低下する見通し。2007年1月期末までに40%に戻せそうだ」と述べた。同社は負債比率が40%を超えた時点で自社株買いプログラムを中止している。