【中国】中国初の石油備蓄基地、年内に稼働 08年までに35日分計画

中国初の国家石油備蓄基地が浙江省寧波市で年内に稼働する見通しとなった。2003年に建設に着手した16基で備蓄量は160万キロリットル。さらに遼寧省大連市など3カ所でも備蓄基地の建設が進んでおり、中国は08年までに国内消費量35日分の石油備蓄を実現する計画だ。経済成長を背景にエネルギー需要は拡大の一途だが、大慶油田など中国国内の産油量は減少に転じており、石油輸入インフラの整備が重要な国家戦略になっている。
 中国では、中国石油天然気集団(CNPC)と中国石油化工(SINOPEC)など石油会社の設備で、国内需要20日前後の商業備蓄が行われている。だが1993年に石油輸入国に転落して国家備蓄が課題となり、2001年に策定された05年までの経済政策「第10次5カ年計画」で、国家石油備蓄プロジェクトがスタート。国家石油備蓄弁公室が設置された。
 第1号となる寧波市鎮海地区では直径80メートル、高さ20メートルで1基あたり10万キロリットルの備蓄が可能なタンク16基が建設され、年内に原油の引き込みが行われる見通しだという。
 同備蓄基地の総面積は2000平方メートルでさらに36基を設置し、合わせて52基とする計画だ。総建設費は約37億5000万元(約544億円)。完成すれば備蓄量は合計で520万キロリットルとなる。
 このほか国家石油備蓄プロジェクトとして08年までの完成をめざして建設が進んでいるのは、浙江省舟山市、山東省青島市、遼寧省大連市の3カ所。江蘇省では、ナフサなどの石油製品の国家備蓄も計画されている。
 08年の完成時には国家石油備蓄が可能な量は国内消費の35日分に達する見通し。ただ備蓄量は日米欧などで120~160日分となっており、消費量の約4割を輸入原油に頼る中国は、さらなる備蓄量の増大が急務。

 なかでもエネルギー消費量の多い広東省は独自の石油備蓄戦略に着手している。広東省発展改革委員会によると、省独自の予算と民間協力で総事業費50億元を投入し、原油100万キロリットル、石油製品20万キロリットルの備蓄基地の建設も計画している。
 広東省における石油消費量は中国全体の13%に達するが、これまで民間備蓄で対応してきた。
 中国全体の1日当たりの原油輸入量は、03年に550万バレル(1バレルは約159リットル)だった。翌04年は同640万バレル、05年は同670万バレルと急増を続け、今年は同700万バレルを軽く超える見通し。
 また国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、輸入量は20年に同1060万バレル、30年には同1330万バレルになるという。沿岸の海底油田開発に加え、アジアやアフリカ各地で貪欲(どんよく)に油田権益獲得に触手を伸ばしている中国だが、国内安定供給のインフラとなる国家備蓄基地の整備も同時に急ぐ必要があった。
 ただ、08年までに中国が35日分の国家石油備蓄を行うとすれば、実需とは別に3万バレル前後の「中国特需」も生じることになり、高騰が続く国際石油市場をさらに過熱させる恐れも指摘される。