WSJ-学生ローンで急成長のネルネット、悪材料はすでに織り込み済みか

投資家の多くは、投資先企業が規制当局の調査を受けた場合、保有株の売却を急ぐ。しかし最も正当化できそうな売りでも、行き過ぎということはある。油田サービス大手ハリバートン(NYSE:HAL)や保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(NYSE:AIG)のチャートをみれば分かるように、悪材料をめぐる懸念が収まれば、株価は急回復することもある。

どうなるか興味をひく例が、学生ローン事業で急成長しているネルネット(NYSE:NNI)だ。1996年創業の同社は、この分野に専念している企業としては、学生金融公庫(サリーメイ)に次ぐ業界2位に成長した。2003年12月に株式を公開。公募価格は21ドルだったが、2年以内に株価は2倍に上昇した。

しかし今年春、ネルネットは乱気流に巻き込まれる。同社は4月20日、政府補助を利用して融資ポートフォリオの利益を拡大していることについて、米教育省の監察総監が調査を拡大していると明らかにした。調査の結末は誰にも分からないが、ウォール街で予想されるシナリオのひとつは、ネルネットがこうした補助を突如打ち切られるといったものだ。

ネルネットの株価は、この調査が明らかになる直前、43ドルの高値をつけていたが、その後は35.70ドルまで下落している。7日終値は前日比30セント(0.78%)高の38.62ドル。時価総額は約21億ドルとなっている。

投資家が神経質になっていることは容易に理解できる。ネルネットは、一部の学生ローンについて、4-6%の金利で提供しながら、政府補助によって全体のリターンを9.5%に拡大できている。この上乗せ部分が、ネルネットの融資ポートフォリオで最もうまみがある部分となっている。昨年、ネルネットの学生ローン200億ドルのうち、これらが占めた割合は約15%だったが、利益全体の3分の1を占めた。

教育省の調査の行方がどうなろうとも、ネルネットの利益に占める高マージン融資は徐々に縮小する見込み。この9.5%プログラムは、1980年代の高金利時代に低利融資を学生に提供する目的で導入されたもので、議会はこのプログラムの縮小を目指してきた。2004年に可決された法案は、こうした融資ポートフォリオにさらにローンを追加することを禁ずるものだった。過去に実施された融資が返済されていくことにより、9.5%プログラムのポートフォリオはみな縮小していくことになる。

クレディ・スイスのアナリスト、モシェ・オレンブック氏は、こうした影響から、ネルネットの9.5%ローンのポートフォリオによる時価総額への寄与は1株当たり4ドルにとどまると推計する。これは政府補助が続くと仮定した予想。オレンブック氏は9.5%ローンがネルネットの全体の利益に占める割合は今年が27%、07年は22%と予想。その後はさらに縮小していくとみる。

ネルネット株を多く保有する投資家の一部は、政府調査に関連するリスクはすでにネルネットの株価に織り込まれていると主張。教育省の調査で大きな不正が見つからなかった場合、株価は上げる可能性があるとしている。

これら投資家は、ネルソンが最大10%相当の自社株買い計画を発表したことに勇気付けられている。株価が過小評価されていると経営陣が考えていることを示すためという。

ネルネットは、9.5%プログラムの補助をより積極的に使うことについて、教育省の高官から数年前に承認を受けたと主張している。こうした補助を受ける資格を満たすためには、1993年より前に発行された免税債によって、融資の資金を調達しなければならない。ネルネットを含む一部の融資提供企業は比較的少数の債券を利用することで、補助を受けられるような方法をみつけている。

ジェフ・ヌードホック社長はインタビューで、「これは大半の業者がすでにやっていることだ。われわれはすべてオープンにやり、承認を得てからやることを決めている」と述べた。

教育省による調査の問題を乗り切っても、ネルネットは中核の営業パフォーマンスについて、投資家の評価を得る必要がある。4月に1-3月期決算を発表した際、融資事業の利益率が圧迫されていることを認めた。しかし同社は、学資援助ソフト、カウンセリング、貯蓄管理などのサービスに多角化する方針を示している。これら分野は有望で、しっかりとした利益が見込めるとしている。

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