東ガス、海藻で発電 回収・処理負担も軽減 来年度事業化へ

東京ガスが、海岸に打ち上げられたり、異常発生し回収された海藻からメタンガスを取り出し、発電燃料として利用する「海藻バイオマスエネルギー」の開発に取り組んでいる。今年度中に技術研究を終え、来年度から具体的な事業化に乗り出す計画だ。海藻を原料としたバイオマスエネルギーは世界的にも例がないという。
 ▼メタンを抽出
 海藻バイオマスエネルギーの開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究として2002年度に着手。横浜市内に試験プラントを建設し、技術研究を続けてきたもので、今年度が共同研究の最終年度となる。
 同社は、周囲を海に囲まれた日本で豊富に手に入る海藻に注目。特に、沿岸部の地方自治体では、海岸の美観保持のために回収した海藻ごみのほか、各地で異常発生が報告されているアオサの回収・処理が大きな負担になっており、バイオマスエネルギーとして再利用するプロジェクトを発案した。
 試験プラントでは、まず破砕機で海藻を細かく裁断。分別機で他のごみなどの不純物を取り除き、さらに細かく砕いた上で、原液槽で加熱し溶液状態にする。加熱には、ガスエンジンで発電する際に発生した熱を利用する「コージェネレーションシステム」を採用している。
 溶液はメタン発酵槽にため、発生したメタンガスを回収。天然ガス(都市ガス)と混合した上で、ガスエンジンの燃料として使用し、発電する仕組みだ。天然ガスと混合するのは、メタンガスだけで発電するよりも、エネルギー効率が向上し、安定的に発電できるためだ。さらに発酵後の溶液は、肥料として再利用している。
 試験プラントでは、1日当たり1トンの海藻を処理し、20キロリットルのメタンガスを回収。10キロワットの発電機を運転し、プラントの事務所の照明などに利用している。
 これまでにコンブやアオサなど処理する海藻の種類に応じた最適な発酵条件や最も効率的なメタンガスと天然ガスとの混合比率などについて研究。「実用化が可能」と判断した。最終年度は年間を通して海藻の処理と発電を行い、安定的に運転できるか確認する。
 東ガスでは、来年度から具体的な事業化を検討していく方針。事業化する際のプラントは、1日当たりの処理量10トン、発電量100キロワットと試験プラントの10倍の規模を想定。海藻の処理が負担となっている自治体や水産加工業者などでの採用が期待できるとみている。
 同社では「海藻の回収から電気の使途、発酵後の溶液の再利用までをトータルなビジネスモデルとして確立できるかが課題」としている。

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