東京電力は9日、東京都江戸川区が公募していた「省エネルギー支援(ESCO=エスコ)事業」の優先交渉権を獲得したことを明らかにした。区役所本庁舎など15施設について、省エネ診断を実施し省エネプランを策定。光熱費の節減や温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の排出量削減につなげる。多数の施設を一括して公募するケースは全国的にも例がなく、東電としても最大級のエスコ事業となる。
江戸川区の事業は、東電のほか、グループの日本ファシリティ・ソリューション(新宿区)や地元の勝田電設工業(江戸川区)など5社で応募。3グループの中から選ばれた。9月末に契約を締結し施設工事に入り、来年4月から運転を開始する。サービス期間は5年間。
対象施設は本庁舎、区立ホテル、スポーツセンター、図書館など。支援サービスにより、電気とガスの使用量とCO2排出量をいずれも12%削減。電気、ガス、水道の光熱水費を年間6455万円節約できる計画だ。さらに節約予定額の95%を最低保証し、予定額に達しない場合は差額を受注者側が負担する仕組み。東電グループは節約額の中から年間約540万円をサービス料として受け取る。
具体的な省エネプランでは、2カ所の温水プールに料金が安い夜間の電気で加温する「ヒートポンプ」を導入するなど計112の対策を実施。区が負担する事業費は約1億8400万円で、光熱水費の節約により3年間で回収できる。
東電では、2000年に日本ファシリティ・ソリューションを設立し、エスコ事業に参入。これまでに同社が56件を受注している。地方自治体などが公募する大型案件については、東電本体も共同で参加し、今回が5件目の受注となる。
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【用語解説】ESCO事業
Energy Service Companyの略。施設の省エネ診断や省エネ対策の設計、施工、保守・運転、省エネ効果の検証などを包括的に提供するサービス。省エネ対策による効果を保証し、光熱水費の節約額などが予定額に満たない場合は、サービス提供者側が負担するのが特徴。提供者は、節約額の一部を対価として受け取る仕組み。