第一生命保険は9日、台湾の大手金融持ち株会社、新光金融ホールディング(HD、台北市)と資本・業務提携を同日付で締結した、と発表した。第一生命は新光HDが年内をめどに行う250億円の第三者割当増資を全額引き受け、出資比率は現在の約1・6%から、6%程度に上昇し、オーナー一族に次ぐ第2位の大株主に躍り出ることになる。
第一生命は出資比率のさらなる引き上げも検討している。新光HDとの関係強化により、2けた台の成長を続ける台湾の生保市場で事業拡大を目指す。
新光HDは、台湾生保第3位の新光人寿保険を中核に、銀行や証券会社などを傘下に持つ金融コングロマリット(複合企業)。第一生命は商品開発や資産運用のノウハウを提供する一方、新光人寿を通じ、現地に進出した日系企業向けの保険サービスを拡充する。
第一生命は、1960年代から新光人寿と人材交流を続け、2005年には投資目的で新光HDの株式約1・6%を取得するなど、従来から同社と親密な関係を構築していた。
台湾の生保市場は最近5年間、2けた台の高成長を続け、年間の収入保険料は市場全体で約4兆5000億円。
第一生命は今後、新光HDとの提携を武器に台湾市場の開拓を進めるほか、中国やベトナム、タイへの進出も検討している。
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≪アジア市場に橋頭堡 2けた成長市場に的≫
第一生命保険は台湾の新光金融ホールディングと資本提携を強め、これを機にアジア進出を進めていく方針とみられる。
保険業界のアジア進出の動きは、日本国内が少子高齢化による人口減少が進んでおり、市場の伸びが期待できないことから、生保と損害保険の両方で急速に進んでいる。なかでも、高い成長性をみせる中国を中心としたアジア市場への進出が著しい。
生保では、日本生命保険が中国とフィリピンに合弁会社を設立しているほか、タイに関連会社を持つ。住友生命保険は昨年11月、中国の損保最大手のPICCと合弁会社「PICC LIFE」を設立。
「アジア各国の保険市場は英米法がベースになっているため、日本と大きな差がなく、人種としても近いのでやりやすい」(大手損保の海外事業担当者)と、アジア進出が進む理由を説明する。
特に注目されている市場が、膨大な人口を抱える中国だが、欧米の大手生保の進出がすでに進んでいるほか、許認可が難しいという点もある。第一生命も中国市場の調査を続けているが、「パートナーを見つけるのが難しい」(広報課)と、現地での事業開始には至っていない。
そうした状況下で、第一生命は、新光HDと関係を深めることで、2001年の銀行窓販解禁などを受けて保険料収入が年10%以上伸びている台湾市場に的をあてた形だ。
これによって、ここをアジア市場の橋頭堡(きょうとうほ)とし、その後の展開も検討していくとみられる。
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【会社概要】新光金融ホールディング
台湾の生保大手、新光人寿保険を中核に2001年に設立された金融持ち株会社。銀行や証券、資産運用会社、損保代理店も傘下に持つ。総資産は約4兆6000億円で、台湾の金融持ち株会社14社中8位の規模。グループ全体の従業員数は約2万2000人。生保市場で10%程度のシェアを占めている新光人寿は1963年の設立。