【中国】TOTO快進撃 05年売上高70%増 高級ブランドイメージ定着

「ウォシュレット」(温水洗浄便座)など高級衛生陶器のTOTOの中国市場での快進撃が続いている。高級マンションなどの新規住宅着工や2008年の北京五輪、10年の上海万博をにらみホテルやオフィスビルの建設ラッシュが追い風になっているためで、高級ブランドイメージが定着した格好だ。」
 ≪新富裕層に照準≫
 05年の中国売上高実績は実に前年比70%増、06年は政府の不動産投資の過熱抑制策でスローダウンはするが、ホームセンターなど新規販売ルートの開拓やアフターサービス強化で引き続き30%増を目指し、高級分野でのトップシェアを不動にする。
 中国でのウォシュレット販売台数は03年には1万7000台だった。平均価格は5000元(約7万2500円)と日本よりも高いにもかかわらず、06年は03年の約2倍の3万5000台を目指すという。
 同社は30代のニューリッチ層を対象にライフスタイル提案型のブランド戦略を展開してきた。昨年から香港の人気女優、ケリー・チャンを起用した広告宣伝がキャリアウーマンのハートをつかみ、05年のウォシュレット販売台数は58・8%増の2万7000台へとブレーク。06年は3万5000台に拡販する計画で、世界のウォシュレットの半分弱を中国市場で販売する計算だ。
 中国のマンション購入事情は、日本と違って住宅設備は代理店やホームセンターなどで自分で選ぶのが一般的なだけに住設のブランド戦略は欠かせない。すでに北京、上海、広州にショールームを開設し、最高級バスルームをイメージする「ネオレストスイート」のブランド浸透も図っている。

 TOTOの強みは、富裕層向けに加え、1979年に中国政府の迎賓館「釣魚台」をはじめ有名ホテルなどの納入実績にあり、北京五輪関連施設向けなど公共施設への営業も強化している。
 ≪海外での稼ぎ頭≫
 TOTOは、海外事業を強化しており、05年度は海外売上高比率が全体の11%(569億円)を占め、初の10%台に乗せた。06年度は前年同期比で8・6%増の615億円を計画しており、中国市場は約半分を占める稼ぎ頭になる。
 一方、経常利益に占める海外比率は05年度で24・5%と売上高に比べて高いのが特徴だ。06年度の海外経常利益は前年同期比で18・1%増の65億円を目指す。これは、価格競争の激しい日本市場に比べて「中国をはじめ海外市場のほうが高級品が売れ、利益率が高いため」(田端弘道取締役執行役員)で、今後も高級ブランド戦略を徹底する。
 中国の衛生陶器市場は年間約5000万個で、このうち約4000万個は中国メーカーの草刈場。このうち約10%に相当する500万個が外資の市場で、TOTOが約38%を握るトップシェア。次いで米コーラーが28%、アメリカン・スタンダードが12%と続いている。今年は中国人民銀行(中央銀行)が上海などの都市部の不動産過熱抑制から、新たな融資規制や追加利上げへの観測が高まり、売り上げペースは若干落ちるとみられている。