WSJ-カーコリアン氏、GMにルノー・日産連合への参加を提案

米ゼネラル・モーターズ(NYSE:GM)の筆頭株主であるカーク・カーコリアン氏はGMに、仏ルノー(13190.FR)と日産自動車(Nasdaq:NSANY)の連合に加わることでリストラを加速させるよう提案している。これはGMと同社会長兼最高経営責任者(CEO)のリチャード・ワゴナー氏にとって大きな圧力となる。

GM取締役会は、この提案を検討するとしている。関係筋によると、電話による臨時の取締役会で、この提案について検討すべきだとの意見でおおむね一致した。ワゴナー氏は、7月4日の独立記念日以降にあらためて取締役会を開くとしている。GMは時間給従業員の早期退職プログラムで目標より2年早い今年末までに3万5000人を削減する見通しとなるなど、ここ数週間でリストラの進展をみせている。だがカーコリアン氏はかなり前から、ワゴナー氏のリストラ策はスピードが遅すぎると批判していた。

この提案は、ルノーCEOで日産自動車社長のカルロス・ゴーン氏が大きな変化を主導することをも意味する。カーコリアン氏率いる投資会社トラシンダは、6月30日付でGM取締役会にあてた書簡で、ルノーと日産がそれぞれGMの相当数の株式を取得し提携することについてゴーン氏とすでに話し合ったことを示した。

その後間もなくルノーと日産は「GMの経営陣と取締役会が完全に支持するのであれば、この提案について門戸を開いている」との共同声明を発表した。

このニュースを受け、GM株の30日終値は前日比2.35ドル(8.56%)高の29.79ドルとなった。これにより、カーコリアン氏が保有するGM株9.9%の価値は16億7000万ドルと、前日に比べ1億4000万ドル増えたことになる。この日の終値は、同氏が1年前にGM株を最も大量に取得した時の株価31ドルに迫る水準。

3社連合案については、文化や経営形態の異なる3大陸の3企業がどのように協力できるのか、こうした提携関係が本当に経費節減につながるのかなど、多くの疑問がある。

ただ、日産を見事に立て直し自動車業界で最も有名な経営者であるゴーン氏の下での3社連合なら、カーコリアン氏の要求を満たすことができるかもしれない。日産の販売台数はここ数年で大幅に伸び、2005年には収益性が業界で最も高水準の1社になった。ゴーン氏は結果重視のリーダーとして知られ、GMにワゴナー氏が残るか否かにかかわらず、GMで大幅な変革ができると確信しなければ3社連合には同意しないとみられる。

ワゴナー氏は30日、GM広報を通じ、コメントしないとした。

GMの年間生産台数は約900万台で世界1位だが、トヨタ自動車(NYSE:TM)が間もなく追い抜くとみられている。ルノー・日産連合は世界4位で、合わせて600万台を生産している。

関係筋によると、カーコリアン氏と、トラシンダ顧問でGM取締役のジェローム・ヨーク氏は、GMは事業のあらゆる面で再考が必要だと考えている。3社のシェアは合計約25%に達し、年間の原材料費1900億ドルのうち1%削減するだけでも大幅なコスト圧縮になると同筋は指摘している。

事情に詳しい筋によると、ヨーク氏は5月、ロンドンでゴーン氏と初めて会い、意気投合したという。2週間前にはテネシー州ナッシュビルで、カーコリアン氏、ヨーク氏、ゴーン氏が夕食を共にし、3社連合の可能性について話し合ったという。ヨーク氏は6月22日、ワゴナー氏に3社連合案について伝えたところ、ワゴナー氏は驚いたものの冷静に対応したという。

一部の株主は、カーコリアン氏の狙いが3社連合の実現かどうか疑問だとした。メインステイ・キャピタル・マネジメントの投資戦略責任者デビッド・クドラ氏は「カーコリアン氏がGM株を取得した時の株価は30ドル台で、30日の株価は(一定期間で)初めてこの水準に迫った。トラシンダは投資収益を確保するためのさまざまな手段を講じようとしているのであって、株価を押し上げる方策を探しているのだと思う」と語った。トラシンダの広報担当者は、「当社は通常、短期ではなく長期の投資をしている」とした。

自動車業界ではこれまでに、提携が失敗した例も多い。ルノーは1980年代、アメリカン・モーターズとの提携で業績回復を試みたが失敗した。GMは昨年、イタリアのフィアット・グループ(NYSE:FIA)に20億ドルの和解金を支払って自動車部門フィアット・アウトとの4年にわたる提携関係を打ち切った。またダイムラークライスラー(NYSE:DCX)は、1998年の独ダイムラーによる米クライスラー買収が相乗効果を生んだのか、依然としてはっきり示せていない。

ダイムラークライスラーが社員価格割引販売に自信

株式投資ニュース

山崎製パンが東ハトを買収

Track Back URL: