日本航空(JAL)は、中国発着便を中心に貨物航空事業を加速させる。中国発着の貨物航空需要が急拡大しており、今後も需要は堅調に推移するとみられることに対応する。
中国と日本やアジア、欧州などを結ぶ貨物航空のネットワークを強化し、あわせて周辺の物流ネットワークを整備することで、物量の拡大とともに、付加価値のアップも目指す考えだ。
同社はまず、中国を核としたアジア地域で、エクスプレスと呼ばれる貨物急送便事業を本格化させる。
JALグループの旅客便に貨物室や中型の貨物専用機を積極活用し、中国と他のアジア諸国を結ぶエクスプレス事業のための基盤を整える。同時に、中国発の貨物を、日本の主要空港を経由し欧州や米国に届けるといったサービスにも取り組む。また、中国やアジアでは、同社が出資する物流会社、ジュピター(香港)を活用した配送網の強化も推進。倉庫での保管などとも絡めたロジスティクスと呼ばれる総合的な物流事業を拡大する。
一方、エクスプレスについては、同社が出資する貨物輸送ネットワーク基盤会社、シュアプラス(香港)を軸に、現地での急送網を整え、同分野に本格参入する。JALグループは、今年度には2900億円程度に達するとみられる貨物事業の売上高を、2010年度には3315億円程度にまで引き上げるとした中期経営計画(中計)を進めている。
この貨物事業のうち、今後の成長が期待できるのは国際貨物分野だ。
中計では、この国際貨物事業の売上高を06年度見通しの1980億円から10年度には2390億円にまで伸ばすとの計画を打ち出している。
航空貨物市場は、今後20年にわたり年間平均6%程度の成長が見込まれているが、中国発着を中心とするアジア域内に限ると、その成長率も同8%と高い。
中国発着の貨物航空は、今後もデジタル家電や電子部品など、商品サイクルの早い商品を中心に利用拡大が見込まれる。
同社はこうした状況を背景に、従来からの航空航空に加え、ロジスティクス事業、エクスプレス事業の強化を通じた質量双方の拡大を進める考えだ。