英ロールス・ロイスと物材機構 超耐熱合金を開発へ 航空機エンジン用

英ロールス・ロイス(RR)と独立行政法人の物質・材料研究機構(物材機構)は30日、航空機エンジン向けの超耐熱合金を共同研究することで合意したと発表した。
 これを受け、同日茨城県つくば市にある物材機構内に、「ロールス・ロイス航空宇宙材料センター」を開設した。
 物材機構の超耐熱材料センターでは、本来は強度を低下させる結晶内の微小な欠陥を、網目状に絡み合わせて逆に強度向上に使う超耐熱合金を開発。現在、三菱重工業と大型ガスタービン、川崎重工業とは小型ガスタービン、IHIとは小型民間航空機用エンジンへの応用を進めている。
 今回、RRとは大型民間航空機のジェットエンジン用タービン翼(ブレード)材料への応用を図る。現在使用されている耐熱超合金よりも耐用温度が100度高い1150度の第6世代単結晶超合金のタービン翼への応用を研究する。
 RRでは、「耐用温度が40度上がればエンジン効率が1%良くなり、近く利用が始まる最新の中型旅客機、ボーイング787の場合で1機当たり年間約100万ドル(約1億1500万円)分の燃料を削減できる」(ヘイミッシュ・ロウ技術担当ディレクター)とした。CO2排出抑制の流れにも対応できる。
 RRの投資は年間約5000万円で、成果は他の航空機エンジンメーカーには開放しない。実用化のめどは2012年ごろだが、RRのリチャード・パーカー研究・技術部門ディレクターは「高価な金属を別の金属に代替するなど他のコスト削減も研究したい」としている。
 国の研究機関が海外企業と提携することについて、超耐熱材料センターの原田広史センター長は「重工3社とはがっちりと組んでいる。大型航空機エンジンでは、OEM(エンジン製造メーカー)と組むしかない」としたうえで、「RRと共同研究すれば多くのことを学べる。日本の重工業会社にも関係してくる」と理解を求めた。これまでに複数社のアプローチがあったという。

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