丸紅は、中国に特化したコンサルティング事業を強化する。人材派遣子会社が国務院(内閣)傘下の国営人材サービス会社「中国国際技術智力合作」(略称・中智)と提携し、教育事業を含めたサービスを提供するほか、中国に複数ある物流合弁会社で行っている物流サービスも丸紅ブランドで窓口を一本化できるよう準備を進めている。
5月末までに香港と上海に中国進出支援のコンサル会社を設立済みで、ヒト・モノ・カネの総合力と商流を活用した販売機能を武器に他の中国進出支援コンサル会社との差別化を図る。
中国では、優秀な管理職クラスの採用が争奪戦になっているほか、労働者保護政策で労務管理が従来以上に難しくなっている。また、法律や税制改正が相次ぎ、認可手続きが複雑になっており、管理部門の代行を行うニーズがあると判断した。また、商社の商流を活用した販売支援機能も強化することで、他のコンサル会社との差別化を図る。
人材派遣サービスは丸紅の人材派遣子会社のアヴァンティスタッフ(東京都千代田区)が、中国最大の国営人材サービス会社の「中国国際技術智力合作」と提携した。
丸紅は、中智との提携を通じて日系企業向けに中国人技術者や管理職を派遣する一方で、07年から退職が本格化する日本の技術者を日系企業や中国国営企業向けに紹介する。中国では情報産業省が5月に胡錦濤国家主席の肝いりもあって「白毛知恵プロジェクト」を推進している。ずばり、07年から本格化する日本の団塊の世代の退職を機に、日本から高度な技術者や経営ノウハウを伝授してもらうのが狙いで、こうした中国企業のニーズにも対応する。
また、中智と共同で、日系企業の進出が多い江蘇省に近く、「日本語研修スクール」を設立する計画。中国人技術者や将来の幹部候補生に日本語研修や日本の商習慣などを伝授した上で、日系企業や国営企業に派遣する。
中国に進出する日系企業は管理職クラスの人材不足や複雑な社会保障手続きに苦慮しており、中智のノウハウを活用して、人事管理に関する総合サービスを提供する。
丸紅は香港現地法人の「丸紅香港華南」で華南の日系企業向けに税務、法務コンサルを提供してきた実績を生かし3月に香港に「M&Cサウスチャイナ香港」を、続いて「丸紅商務諮詢(上海)」を上海に設立しており、将来的には、人事、総務、物流など中国進出企業の管理部門の代行サービスをパッケージで提供する。
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【用語解説】中国国際技術智力合作
1987年6月に国務院の全額出資で設立された直轄の国営企業。従業員8万人、関係会社約500社を有する集団で、人材派遣や人材教育を中心とする人材サービス会社。国務院は直轄する国営企業約168社を半減する方針を打ち出したが、人材サービス分野は重視している。また、国の留学生や研修生を送り出すためのビザ取得手続きの代行機関でもあり、日本向けに身元を保証した人材派遣で実績がある。