貸金上限金利15-20%に きょう自民承認 過剰融資、規制強化も
自民党金融調査会の「貸金業制度等に関する小委員会」(増原義剛委員長)は5日の会合で、出資法の上限金利(年29・2%)を利息制限法の上限(同15~20%)水準に引き下げて原則一本化し、両金利間のグレーゾーン(灰色)金利を廃止する案を承認する見通しだ。党内には依然、引き下げに慎重な意見もあるが、少額・短期の融資に高めの金利を認める特例などの導入検討を条件に、原案通り了承する。
金融庁と法務省は、今後与党内のすり合わせを待って制度改正案の策定に着手。与党は秋の臨時国会での改正法案成立を目指す。
小委員会の会合には、融資金額別に15、18、20%と3段階に分かれている利息制限法の上限金利の統一も提案されるもようだ。ただ、是非を含めた対応は、今後金融庁と法務省が検討することになりそうだ。
自民党小委はこのほか、貸金業者に対する規制強化も承認する見込み。参入規制を厳しくするため、貸金業協会を貸金業規制法により認可法人化し、全業者に加入を義務付ける。その上で、多重債務につながる過剰融資を防止するため、信用情報機関への顧客の借り入れ状況の登録を義務化。さらに、顧客に対する貸付総額に上限を設ける。
また、「借入期間の長期化が多重債務問題に拍車をかけている」として、毎月一定額を返済する「リボルビング払い」に対する規制も導入。違反した業者への刑事罰の引き上げも提言する方針だ。
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■制度見直し、詳細あいまい
自民党の「貸金業制度等に関する小委員会」が出資法の上限金利を利息制限法水準に引き下げる方針を打ち出すのは、両法律間のグレーゾーン金利を事実上認めないとする司法判断が相次いだことが背景にある。
金融庁の有識者懇談会も先に、金利引き下げを提言。司法、行政に続き、立法府も多重債務問題の解決に向け一歩踏み出す。
上限金利をめぐっては、業界団体や消費者金融業者側が、引き下げた場合に貸し倒れの危険性が高い顧客を中心に融資できなくなるケースが急増すると主張し、現状維持を訴えた。
しかし、利息制限法の上限金利を超える高利率で融資し、多額の利益を得てきた貸金業界の主張に説得力はなく、むしろ「脅し」と受け止められて反感を買った。
ただ、方向性が定まったとはいえ、制度見直しの詳細はあいまいな部分が多い。上限金利を超える貸し付けは刑事罰の対象となるが、業者への打撃を和らげるため、超過幅が少ない場合は例外扱いにする案や、金利引き下げで実際に融資を受けられなくなった利用者への支援体制など、詳細はすべて今後の検討課題。金融庁と法務省が具体的な制度設計に着手する見通しだが、課題は山積している。