金融庁は6日、保険金の不当な不払いで昨年10月に明治安田生命保険に対し発動していた新規業務の停止命令について、同日付で解除すると発表した。経営管理体制の抜本的な改善が図られたと判断したため。これにより同社は、新商品の認可申請や既存商品の改定などができるようになった。
金融庁の行政処分は、保険販売の2週間停止と、新規業務の無期限停止。これを受けて明治安田は、専務以上の旧経営陣を一掃した上で、経営改革に着手した。今月4日の総代会では、委員会設置会社への移行や、総代の立候補制度の導入などを決定した。さらに、適切な保険金支払いを何重にもチェックする仕組みも整えた。
金融庁は同社が取り組んできた経営改革や契約者保護について、「著しい改善が認められる」と評価した。
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■「率直に長かった」 社長会見 成長分野で出遅れ
明治安田生命保険に対する金融庁の新規業務の停止命令が、約8カ月ぶりに解除された。これを受けて同日会見した同社の松尾憲治社長は「率直な気持ちとして、長かった。しかし、これはゴールでなく新たなスタート。スピード感を持って改革に引き続き取り組んでいく」と話した。しかし一方で、顧客離れを回復する道のりは遠い。
命令解除によって、再開できる新商品の販売について、松尾社長は支払い管理体制の整備を重視するとしながらも、「(今年度)下期の冒頭には」と時期を示した。
ただ、2度の営業停止処分と新商品の開発停止処分によって、同社の2006年3月期決算は新契約が前期比40・9%減、保険料収入も同12・2%減と不振に陥った。住友生命保険に抜かれて業界4位に転落するなど、処分は大きな影を落とした。
特に成長分野である医療・介護などの第三分野商品と銀行窓販では、新商品開発ができなかった影響が大きい。営業現場からは「顧客との接点を持つためにも、早く新商品を出してほしい」という要望が経営層にも届いているという。
この間、ライバル社は相次いで医療・介護保険などで新商品を投入。営業面で大きく立ち遅れた。
同社は金融庁の処分に対応して、昨年12月に就任した松尾社長以下、新経営陣で不祥事再発防止のための対策を矢継ぎ早に実施した。具体的には、総代の立候補制導入や委員会設置会社への移行などの経営体制の変革、生保の利益の内訳である「三利源」を大手生保で初めて開示するなど「明治安田は改革にかこつけてやりすぎだ」(大手生保幹部)という声さえ聞かれるほど、“常識”を打ち破ってきた。
松尾社長は同社の変化について、「問題点を浮かび上がらせ、それを改善させるという自浄能力を高めた」とした。今後は、改革の継続と営業の巻き返しという難しいかじ取りを求められている。