理研 テラヘルツ光子を検出 量子コンピューターへ道

理化学研究所の石橋幸治主任研究員らは6日、カーボンナノチューブ(CNT)を用いて電磁波「テラヘルツ光」を光子として検出することに初めて成功したと発表した。テラヘルツ光は、光と電波の中間の周波数を持ち、物体をX線のように透視するなど新たな用途が期待されている。CNTを使った高感度検出器が実現する可能性があるという。
 今回、金属の性質を持つCNTを用いて、ゲートを開くと電子が1個ずつ流れる単電子トランジスタを作製。この単電子トランジスタのゲートを閉じておき、テラヘルツ光子がCNTに衝突すると光子のエネルギーが内部の電子に与えられ電子がCNTから飛び出て電流が流れるように調整し、テラヘルツ光子検出器を実現した。
 アインシュタインが1921年に金属に光を当てて電子を飛び出させる実験で光子を発見したが、これと同じ現象がCNTとテラヘルツ光の組み合わせで実現したという。
 また、今回の成果は、将来の「量子コンピューター」の実現にもつながるという。量子コンピューターは組み合わせ計算などを高速に行う次世代コンピューターで、量子である単電子を3次元的に閉じ込める人工原子を並列化する方法で基本素子である「量子ドット」を作製する研究が進められている。
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【用語解説】テラヘルツ光
 周波数が1テラ(1テラは1兆)ヘルツ近辺の電磁波。光と電波の中間にあり、新たな周波数帯域として期待されている。物体内部にも透過するため、セキュリティー用途が期待されているほか、帯域が大きいため通信への利用も期待されている。

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