ファイザーの新薬 禁煙治療に効果アリ 米学会誌“お墨付き”

病院で使用される医療用医薬品の世界最大手、米ファイザーは、同社開発の禁煙治療薬「バレニクリン(商品名チャンティックス)」による有効な治療結果が、医学界で権威のある学会誌「米国医師会雑誌(JAMA)」に掲載されたことを明らかにした。
 各段階の厳しい審査を経るJAMAに掲載されたことで、効果にお墨付きを得られた格好だ。
 掲載された臨床試験は、バレニクリン、英グラクソ・スミスクラインの「ブプロピオン(商品名ザイバン)」、「プラセボ(偽薬=有効成分を入れない形だけの薬剤)」の比較。
 バレニクリン(1ミリグラム、1日2回服用)で12週間治療した患者の禁煙率が約44%に対し、ブプロピオン(150ミリグラム、1日2回)の禁煙率は約30%、プラセボでは約18%だった。
 バレニクリンは米国で5月に販売承認され、8月に発売予定。欧州では05年11月に新薬承認申請を提出した。
 日本では、6月末に厚生労働省へ、製造販売承認申請を行った。同申請で通常のスケジュールでは、承認まで1年半程度かかることから、発売は08年になりそうだ。
 バレニクリンは、禁煙治療向け医療用医薬品として、10年ぶりの新薬。人間の脳で起きる欲求に働きかけるのが特徴だ。
 たばこを吸うと、ニコチンが数秒以内に脳に到達する。ニコチンは、脳内のたばこ依存を引き起こす神経回路を活性化する機構であるニコチン受容体と結合し、たばこを吸ったことによる満足感を生み出す。
 バレニクリンは、ニコチン受容体に弱く作用する。有効成分が、同受容体と結びつき、あたかもたばこを吸ったような感覚を与えられる。それにより、喫煙したい欲求とニコチンからの離脱症状を緩和する。また、バレニクリンを服用中にたばこを吸うと、すでに有効成分が同受容体と結合していることから、ニコチンと同受容体を遮断する作用が起こる。
 結果的に、たばこを吸っても、吸ったことによる満足感を得られない。「吸っても気分良くならない」ということになり、これらの作用によって、ニコチン依存からの脱却に成功することが期待されている。

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