骨伝導聞こえやすく フレェイが新素材使い開発

“第2の耳”誕生-。ベンチャー企業のフレェイ(東京都台東区)は、骨を振動させて音を伝える骨伝導の機器に、新しい素材を使って聞こえやすくした製品を開発した。音楽や音声を再生・放送する機器につなげるアンプと、骨伝導ヘッドホンをセットにした「フィルチューン」を5万5125円で商品化する。
 「超磁歪(ちょうじわらい)トランスデューサー」と呼ばれ、磁界が加わると形が大きく変わる素材を使った。電圧により変形する「圧電式振動デバイス」を使った骨伝導機器よりも大きい音で聞こえ、人間の耳の上限に近い高周波数帯の音でも伝えられるという。
 一般用に市販するほか、福祉関連施設やコンサートホールなどに、製品や技術を提供していく。07年7月末までに1万台、3億円の販売を見込んでいる。
 フレェイによると、既存の骨伝導ヘッドホンが50ヘルツから4キロヘルツの音を再生するのに対して、「フィルチューン」は25ヘルツから25キロヘルツまで再生可能。人間の可聴範囲となる20ヘルツから20キロヘルツをカバーしており、会話の言葉に混じる小さな子音や、音楽の高音部も骨伝導によって伝えられる。
 ≪「超磁歪」が鍵≫
 鍵となるのが「超磁歪」という特性を持った合金。外部から磁界をかけると大きく変形する性質があり、この素材を組み込んだ振動デバイスに、再生機器やマイクロホンからアンプを通して音楽や音声の信号を伝えると、音を振動に変えて骨に伝える。
 圧電式の振動デバイスよりも大きく振るえて、よりリアルなサウンドを再生できるという。
 フレェイでは7年ほど前からこの「超磁歪素材」に着目し、骨伝導機器の開発に取り組んできた。文部科学省の「独創的革新技術開発提案公募制度」で補助を受け、東京都の「中小企業創造活動促進法」の認定事業者となり製品化を推進。超磁歪トランスデューサーの小型化に成功し、これを組み込んだ「フィルチューン」として製品化した。
 ≪難聴の予防も≫
 同社の鈴川元昭社長によると、量産化できれば価格も下げられ、形状もさらに小さく薄くできるという。難聴者向けに音楽や音声を聴かせる製品としてだけでなく、耳を空けながら音楽などを聴きたいユーザーにも利用を働きかける。片方の耳だけを酷使しがちなオペレーターなど、難聴を予防する機器としても普及を目指す。
                  ◇
【用語解説】骨伝導 
 空気を伝わってきた音が、耳の中にある鼓膜を振動させると、耳小骨を通して蝸牛と呼ばれる器官で神経パルスに変わり、聴神経から脳へと伝わる。人間はこれを音として認識する。骨伝導は、鼓膜を振動させずに、骨を直接振るわせて蝸牛以降の聴覚神経に伝える仕組み。
 鼓膜の障害を持つ人や高齢化で聴覚器官が衰えた人も音を認識できる。耳をふさがないで音を聞き取る必要のある職業も骨伝導機器が使われている。

あいおい生命保険と共栄火災しんらい生命保険が三利源を開示

株式投資ニュース

ナイスパークフィールド旭ヶ丘の建設現場をライブ中継

Track Back URL: