WSJ-SABミラー、マッケンジーのエナジービール2ブランドを取得
ビール大手の英SABミラー(SAB.JO)は3日、米サンフランシスコに本拠を置く飲料メーカーのマッケンジー・リバーから、エナジービールと呼ばれるカフェイン入りビールのブランド、「スパークス」と「スチール・リザーブ」を2億1500万ドルで取得することで合意したと発表した。米コーヒーチェーン大手のスターバックス(Nasdaq:SBUX)のフラペチーノや、「レッドブル」などのエナジードリンクを飲んでいる若者を引きつけたい考え。
これにより、低迷している米国のビール市場で小規模ながら成長をみせているエナジービール分野での競争が激化するのはほぼ間違いない。エナジービールは、カフェインとカフェイン類似成分を含んでいるものが多く、人気が高まっている。「スパークス」はカフェイン入りのアルコール麦芽飲料で、高麗人参、ガラナ、タウリンを含み、かんきつ系の風味がある。「スチール・リザーブ」はラガービール。
SABミラー傘下のミラー・ブリューイングは、マッケンジーとの合意により、すでにスパークスとスチール・リザーブの生産を始めている。ミラーによると、ブランド取得手続きは米反トラスト(独占禁止)当局の承認を経て完了する見通し。ミラーはまた、マッケンジーと新製品を共同開発することでも合意した。
エナジービールの需要は堅調で、ミラーによると、スパークスは2003-05年の伸び率が年107%だった。05年の販売量は27万バレル。ミラーはすでに、コーヒー1杯分より多いカフェインとガラナ、タウリンを含む麦芽酒であるマッケンジーの「スティンガー」を販売している。麦芽酒は通常、ビールよりアルコール度数が高い。ほとんどの米国のビールのアルコール度数は体積比4.5%であるのに対し、マッケンジーの麦芽酒は7%。
ミラー・ブリューイングのノーマン・アダミ社長兼最高経営責任者(CEO)は「スパークスとスチール・リザーブの取得は、当社の成長に直ちに好影響を及ぼす」との見通しを示した。
米ビール大手アンハイザー・ブッシュ(NYSE:BUD)は、カフェイン、高麗人参、ガラナを含むビール「ティルト」と「ビー」を販売しているほか、カフェイン入りビール「ナッティー・アップ」をテスト販売している。この分野には続々と新製品が登場している。ボストンの小規模ビール会社、ニュー・センチュリー・ブリューイングは04年に「ムーンショット」を発売し、その後、カフェインの量を増やしたという。現在のカフェイン量は69ミリグラムで、コーヒー1杯分とほぼ同じ。
エナジービールに批判的な向きは、「酔った状態を(カフェインなどで)覆い隠しているにすぎない」としている。非営利団体の米公益科学センター(CSPI)のジョージ・ハッカー氏は「アルコール飲料をもっと多く飲ませるための新たな手段だ」と指摘している。