海底5815メートルで堆積物採取 経産省がつり下げ型ボーリング
経済産業省は14日、海底掘削部を光・動力ケーブルでつり下げて目標地点に降下する「つり下げ着座型」の採取システムで、水深5815メートルでの海底堆積(たいせき)物の採取に成功したと発表した。
つり下げ型のボーリングシステムは、テレビカメラによる海底観察と掘削部に搭載されたプロペラにより、目標地点での掘削が可能。同型による深海底ボーリングで水深3000メートルを超える海底での掘削実績を持つのは日本だけで、今回は一気に水深を倍増させた。
ボーリングシステムは同型のほかにも、長いパイプを降下して掘削する「船上リグ掘削型」がある。この型は水深5980メートルでの掘削実績を持ち、今回のつり下げ着座型の成功でほぼ並んだことになる。
経済産業省は「つり下げ着座型は、船上リグ掘削型に比べて短時間かつ安価に調査ができ、精巧な科学調査で優位性を発揮する」としており、今後も同型での調査を進める方針だ。
国連海洋法条約では、沿岸国の200カイリまでの海底などを大陸棚とし、一定条件を満たす場合はさらに延伸することも可能としている。今回の調査は、その大陸棚を延伸するためのデータ収集の一環として実施。小笠原父島東方の深海底で、長さ4メートルの海底堆積物を採取した。大陸棚の延伸には、大陸棚延伸に関する情報を2009年5月までに国連に提出(申請)する必要があり、今回の水深6000メートルの掘削技術により基礎データのさらなる充実を図る。
なお、同調査を受託して実施した深海資源開発(DORD)は、今回の記録達成についてギネスへの申請も検討している。