JFEスチール クロム系ステンレスを1万円値上げ

鉄鋼大手のJFEスチールは9日、国内向けクロム系ステンレス薄板を9月以降、鉄鋼商社向けを1トン当たり1万円値上げすると発表した。鉄鉱石のほか、主要添加元素であるクロムなどの原料の値上がりが理由。この品種の値上げは2005年4月以来、約1年半ぶりとなる。

 同薄板は自動車用部品、電機製品、日用品などに利用されている。厚みは3ミリ以下。値上げするのは、鉄鋼商社などを経由する「店売り」の9月契約分から。需要家に直接納める「ひも付き」と呼ばれる契約では、需要家ごとの現行価格水準に応じ、額、時期とも個別に申し入れる予定。
 JFEスチールは販売額を明らかにしていないが、同品種の市場価格は1トン当たり20万円前後という。
 ステンレス鋼板は、主にクロム系、ニッケル系に分かれる。ニッケルを添加したタイプは耐食性能が高いが、原料となるニッケルの価格が近年、急騰していることから、クロム系の需要が増えている。
 JFEは、クロム系でありながら、ニッケル系と同等レベルの耐食性能を有する「JFE443CT」などを開発し、需要家のニーズにこたえてきた。同社のクロム系ステンレス薄板の生産規模は、2005年度で50万トン。フル生産の状態が続いている。
 今回の値上げは、ニッケルほどではないが、クロムも原料価格が上がっており、この価格転嫁を図ることにした。