中国初の外銀M&A案件に
中国の国有商業銀行である中国建設銀行が、米大手銀バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)がもつ香港とマカオの17の支店網を一括買収する方向で最終交渉を行っていることが10日、明らかになった。週明けにも発表される見通し。実現すれば中国の国有商銀として初めての外国金融機関へのM&A(企業の合併・買収)案件になる。国際金融業務など香港での米銀ノウハウを吸収することが狙いとみられる。
香港の英字紙、スタンダードが関係筋の話として同日伝えたところによると、中国建設銀とバンカメは7月に支店網買収交渉を始めており、すでに最終段階にある。バンカメのアジア地域会社は香港で14、マカオ3の支店網を展開しており、この地域における2005年度の最終利益は5億3700万香港ドル(約79億4760万円)だった。
今回の買収費用は数十億香港ドルとみられる。
中国建設銀は中国の国有商銀として初めて、昨年10月に香港市場に上場したが、バンカメは上場前に中国建設銀に25億米ドル(約2875億円)を出資、上場時にも5億米ドル(約575億円)を追加出資している。現段階で8・5%の株式を握っているほか、将来的に持ち株比率を19・9%まで増やせる権利をもつ。
バンカメは資本提携により中国建設銀との中国本土での競合を避けるため、今年3月に中国本土で唯一の上海支店を閉鎖し、業務を中国建設銀に譲渡している。今回の香港とマカオの支店網売却は、両行の業務提携を国際市場に拡大する狙いがありそうだ。バンカメはノースカロライナ州シャーロット市を本拠地として米国最大の預金保有額をもつ。04年度の売上高は496億ドルだった。
北京市内に本店を置く中国建設銀は国内に約2万1000の支店網をもち、行員およそ41万人を抱える。総資産は昨年6月段階で国有商銀3位の4兆2241億元(約60兆8270億円)。バンカメのほか、シンガポール政府系投資会社も14億米ドルを出資している。
スタンダード紙はさらに、中国建設銀が香港地場に34支店をもつ永隆銀行の買収にも動いていると伝えた。永隆銀は中国本土に4支店、海外に2支店を持つ。時価総額は約157億香港ドルの中堅銀行だが、中国建設銀がバンカメと同時に永隆銀の支店網も手中に収めれば、裕福な個人顧客の多い香港とマカオで一挙に営業基盤と国際金融業務ノウハウを獲得する。
建設銀、今年6月に上場した中国銀行に続き、国有商銀最大の中国工商銀行も10月に香港市場での上場を計画している。香港上場により巨額の資金調達を果たした中国建設銀などは今後、香港を手始めにM&Aによる国外の進出戦略を急展開する可能性が高い。