WSJ-再保険株に投資妙味、ハリケーン懸念は行き過ぎとの見方も

昨年の記録的なハリケーンシーズンで「再保険業界は大打撃を受けた」(シティグループの保険業界アナリスト、ジョシュア・シャンカー氏)。しかし、それが今年も繰り返されるとの懸念は行き過ぎかもしれない。

保険ブローカー大手マーシュ・アンド・マクレナン(NYSE:MMC)傘下の再保険ブローカー、ガイ・カーペンターによると、全世界で昨年発生した自然災害による損失保証額830億ドルのうち、400億ドルは再保険会社によって支払われた。

しかし、今年も同規模の被害が発生するとの懸念は誇張されているかもしれない。再保険会社の多くは、株価収益率が低水準にある。昨年の記録的なハリケーンシーズンが標準なものであるかのごとく、再保険会社の株価は形成されているため、一部のウォール街関係者は押し目買いの機会とみている。

連邦気象当局は先週、今年のハリケーンシーズンは比較的静かなスタートとなったものの、平均を上回るハリケーン活動を引き続き予報している、と警告した。再保険株は今年に入り、平均で約4%下落している。同じ期間、ダウ工業株30種平均は3.5%上昇している。

プゼーナ・インベストメント・マネジメントのヘッド、リチャード・プゼーナ氏は「今年も記録的なハリケーンシーズンとなるとの懸念は、理解するのは容易だが、おそらく理由のないものだろう」と述べた。同氏は、57億ドル規模のジョン・ハンコック・クラシック・バリューファンドを運用しており、ルネサンスリー・ホールディングス(NYSE:RNR)やIPCホールディングス(Nasdaq:IPCR)などの再保険会社株に昨年から投資しはじめた。「下値が極めて限られ、上値余地が極めて大きい分野のひとつだ」と同氏は述べた。

Tロウ・プライス・グループの保険株アナリスト、ガブリエル・ソロモン氏は「再保険株の多くは、かなり活発なハリケーンシーズンをすでに織り込んでいるようだ」と指摘する。証券当局に提出された書類によると、3月31日時点でTロウ・プライスは、XLキャピタル(NYSE:XL)、アスペン・インシュアランス・ホールディングス(NYSE:AHL)などの再保険株を保有している。

再保険業界関係者の多くは、今年は昨年より静かなハリケーンシーズンとなるとみている。バークシャー・ハザウェイ(NYSE:BRK.A)傘下のバークシャー・ハザウェイ・リインシュアランス・グループは今年1-6月、17億ドル相当の保険料を手にした。これは前年同期の2倍を超える額。

強気筋の見方が正しければ、再保険会社株に投資している投資家にとっては良いニュースだ。いわゆる”ウィンド・カバレッジ”事業にかかわる再保険会社は特にそうだ。ウィンド・カバレッジとは、住宅所有者保険の中で暴風がもたらす被害をカバーする部分のことを言う。多くの企業で、ウィンド・カバレッジの保険料は急激に上昇しており、保険業者は保険の引き受けでより選択的となっている。

ルネサンスリー、IPC、XLキャピタル、アスペン・インシュアランス、エベレスト・リインシュアランス・グループ(NYSE:RE)は、いずれも来年の予想1株利益ベースで株価収益率が7倍以下で、S&P500構成銘柄の平均の3分の1程度の水準。アメリカン・インターナショナル・グループ(NYSE:AIG)、シティグループ(NYSE:C)などの金融大手と比べても低い。

また、キャピタルIQによると、いずれも過去5年間の株価純資産倍率の平均をやや下回る水準で推移している。

もっとも、再保険はリスクの大きい事業であり、今年のハリケーンシーズンが昨年と同様なものになれば、再保険会社の多くは再び大きな打撃を被ることになる。また、昨年の「カトリーナ」、1992年の「アンドリュー」のように、過去の最も強力なハリケーンの一部は、8月後半に発生している。昨年は9月に「リタ」が、10月には「ウィルマ」が米国を襲っている。

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