松下 本社内に「スポットオフィス」 支社社員の時間を有効活用
松下電器産業は、大阪府門真市の本社に訪れた支社やグループ会社の従業員が仕事をできるよう、LAN(構内情報通信網)ケーブルなどIT(情報技術)環境を整備した「スポットオフィス」を10月にも本社内に開設する。会議の合間などを有効に使ってもらい、仕事の能率を高めるのが狙い。成果を確認したうえで、国内に100カ所以上ある工場・事業所にも設置する考えだ。
スポットオフィスを導入する企業は増えているが、全国の事業所や工場に設けるのは珍しいケースになる。実現すれば、無駄な時間を削減する取り組みとして注目されそうだ。
松下電器は国内で約8万人のグループ従業員を抱えている。これまで、支社やグループ会社の従業員が、打ち合わせや会議のため本社を訪れても、会議の合間などには居場所がなく、ある社員は「喫茶店で暇つぶしをすることもあった」と打ち明ける。
構想では、本社内に10~20席程度の部屋をつくって、LANケーブルや電話・ファクス、コピー機などを整備する。
松下電器は今年1月、ITを駆使してユビキタス(いつでもどこでも)な働き方の実現を目指す「e-Work推進室」を設置。その試みの1つとして、スポットオフィスの設置構想が浮上した。総務など関係部署と調整したうえで早ければ10月の設置を目指す。
同社は全国に張り巡らせた販売店網が有名だが、営業マンが地方の販売店を訪問しても、現地で報告書を作成する場所がなかった。その一方、創業者の松下幸之助氏は「47都道府県に1つずつ工場をつくる」と提唱。完全には実現できなかったが、ほとんどの県に事業所や工場を置く。このため、地方に出張した営業マンが最寄りの工場で仕事をできるようにする。