タカラトミーは、約800万人といわれる団塊世代(1947~49年生まれ)を主な対象にした玩具を9月に発売する。少子化の進展により、落ち込む子供向け商品の売り上げカバーが狙い。人口の多い団塊世代向けの玩具を投入することで経営基盤の強化を目指す。
発売するのは、気軽に自宅で陶芸が楽しめる「ろくろ倶楽部」と、カード型の電子ゲーム「夫婦のビタミン」。いずれも「手軽」がキーワードだ。
ろくろ倶楽部は、粘土と電動のプラスチック製ろくろなどがセットとなっている。電動ろくろで作った作品を乾燥させて、自宅にあるオーブンレンジで焼き、熱を取れば完成。入門編と位置づけ投入する。価格は1万5000円。粘土を別売りし、バリエーションを増やすなどして定番商品に育てる考え。
資格・習い事情報誌『ケイコとマナブ』を発行するリクルートによると陶芸教室は「モノづくりの好きな方に人気があり、20代の若者から中高年層までファンは幅広い」(広報室)という。タカラトミーで商品開発にかかわったスマイフマーケティンググループリーダーの桐迫(きりせこ)修さん(50)は、「教室に習いに行くと5万円以上かかる陶芸を、家庭で気軽に楽しめるように開発した」と語る。
夫婦のビタミンは、米国でトップの普及率を誇る夫婦カウンセリング用の診断テストソフトを採用。液晶画面に映し出される質問に、ボタンを操作して答えていく。この答えから、夫婦間のつながりの深さや認識のズレ、問題点や悩みの原因などを導き出す。
2007年4月からは離婚時の厚生年金の分割が始まる。新制度に移行すると、夫と約束した割合(最大で半分)だけ、社会保険庁が妻の口座に直接振り込む形に変わる。これにより、“熟年離婚”が増える可能性を指摘する声もある。
夫婦のビタミンで、夫婦間の問題点を洗い出し、関係改善につながれば、というのが賞品開発の狙い。価格は4200円。
新たな大人向け商品は、東急ハンズやロフトなど生活雑貨店を中心にして販売していき、百貨店では子供用玩具売り場とは別の場所で取り扱う計画だ。
タカラトミーは今年3月、タカラとトミーが合併して誕生。旧タカラは、早くから少子高齢化をにらんだ市場開拓に取り組み、大人向け玩具の電気自動車「Qカー」や家電などを投入しものの、販売が低迷し撤退した経緯を持つ。
今回、この経験を踏まえ、手軽をウリにした大人向け玩具を開発、新市場として本格的に開拓していく考えだ。
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■玩具市場、2年連続でマイナス
日本玩具協会(東京都墨田区)によると、2005年度の玩具市場規模は、店頭価格ベースで前年度比1・7%減の6975億円。2年連続でマイナスとなっている。01年度と比べると343億円の縮小。
減少の理由は「少子化に加え、消費者の好みの多様化や変化」が大きな要因と分析している。その上で「従来型の商品だけを取り扱ったり、既存の販売ルートだけに頼っている企業は、今後も売り上げを落としていくだろう」とみている。
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■「退職金」狙い知恵比べ
団塊世代の大量退職が本格化する2007年が目前に迫っている。その世代が受け取る退職金は、45兆~60兆円ともいわれるだけに、各社の展開する「団塊ビジネス」は活況を呈している。
旅行業界は、シニア層から選ばれる海外ツアーの充実にしのぎを削っている。ここにきて目立つのが、移動に航空機のビジネスクラスを利用する“ぜいたくツアー”だ。単価はエコノミークラスの1・5~2倍と値は張るが、ゆとりある旅を楽しみたいことから「売れ行きは好調」(大手旅行代理店幹部)。JTBをはじめ、近畿日本ツーリスト、日本旅行などは一推し商品として用意している。
金融界では、シニア富裕層に的を絞った店舗戦略に大きくかじを切っている。大和証券は、国内全115店の内装を高級感のある木目調に切り替える工事を進める。
団塊マネーを狙う企業の知恵比べは、これからが本番といえそうだ。