世界2位のアルミニウム生産高を誇るロシアのアルミ生産企業2社が今秋にも合併することで合意したことが21日明らかになった。合併が実現すれば、世界最大級のアルミ生産企業体が誕生し、ロシアのアルミ生産はこの新企業体1社が独占することになる。ロシアから大量輸入する世界3位のアルミ消費大国日本にも影響を与えそうだ。
ロシアの経済日刊紙コメルサントによると、ロシアのプーチン政権に従順な姿勢を示すアルミ最大手「ルスアル」のデリパスカ社長と、同「スアル」社の最大株主である大富豪ベクセルベルク氏がこのほど、2社の合併で合意し10月中旬に公表することを決めた。
新企業体の株式は75%をデリパスカ氏が、25%をベクセルベルク氏が保有するという。
専門家らは、合併後の新企業体の総資産が150億~170億ドル(約1兆7250億~1兆9550億円)と試算しているが、220億ドル(約2兆5300億円)に上るるとの試算もある。
新企業体の発足で、ロシアのアルミ生産を同社1社が独占することになるため、独占禁止法に抵触するとみる向きもある。しかし同紙は、この合併が、世界市場におけるロシア企業の競争力強化に資するほか、今年5月、失敗に終わったロシア鉄鋼大手「セベルスタリ」と鉄鋼世界2位の「アルセロール」(ルクセンブルク)との合併の「リベンジ」になるため、許可されるとみる。
「軽く強い金属」として知られるアルミの生産は、世界で3000万トンを超えたが、その約4分の1は中国が生産する。ロシアは昨年、両社合わせて500万トンを生産し世界2位の地位にある。
プーチン政権は、石油などエネルギー資源に加えて、チタンなど金属部門など、戦略産業への国家統制強化を図っており、こうした戦略的な資源産業の大合併は今後も続くものとみられる。