<イスラム金融>邦銀や損保が本格参入

利子や保険を否定するイスラム教の教義に基づく「イスラム金融」に、邦銀や損害保険会社が本格参入し始めた。東京海上日動火災保険を傘下に持つミレアホールディングスでは、イスラム保険の契約高が急増。大手銀3行と国際協力銀行(JBIC)が「イスラム金融検討会」を設立するなど、原油高騰で膨らむオイルマネーの受け皿を狙う動きが盛んだ。
 イスラム教は金利や保険金を「不労所得」として禁じている。しかし、70年代以降、イスラム圏ではオイルマネー活用が課題となり、イスラム法学者による審査機関を持つ銀行が認められた。事業に共同出資し利益の一部を配当金として受け取る「プロジェクトファイナンス」が教義にかなうと認められ、資産規模は約4500億ドル(約52兆円)に成長。共済保険「タカフル」も70年代に認められた。契約者が払ったお金を元に、事故の被害者や亡くなった人に「寄付」の形で支払う。
 ミレアは01年にタカフルに参入。04年にはインドネシア現地法人にタカフル部門を設置、契約高は05年に8億円、06年に30億円弱まで増えた。マレーシアでも現地財閥とタカフルの合弁会社を年内にも開業。契約高は今後3年間で現在の3倍超の100億円を見込む。
 また、邦銀は、石油プラント開発など大型事業を手がけ始めたイスラム銀行と共同出資すれば収益を上げられると判断。検討会で情報収集を強化し、参入をうかがう。JBICはイスラム教に基づく「イスラム債」発行の準備にも着手した。JBICプロジェクトファイナンス部の加賀隆一部長は「邦銀の関心はこの1年で劇的に高まった。2、3年もすれば参入が本格化するだろう」と話している。