水処理システムの国内大手であるオルガノは、北京市に営業拠点となる連絡事務所を開設した。新拠点の人員は5人程度。同社の現地法人の事務所と位置づけ、北京や天津など華東地区での営業活動を活発化させる。
同社は、水処理装置や消耗品の製造、販売会社として、2003年に100%出資の現地法人「オルガノ蘇州有限公司」を設置し、上海や深センなど華南、華東地区の日系企業を対象に事業を展開してきた。
これまで同社が中国国内で販売してきたのは、不純物や汚れを極限まで取り除いた「超純水」の製造システムなどが中心。超純水装置は半導体製造などIT分野の洗浄水として用いられ、IT産業の一大集積地として発展している上海などでは、需要が拡大し続けている。
これに対し、今回の北京事務所で主力商品と位置づけているのは、工業排水の浄化、再利用などを行う再生システム。排水を回収し、フィルターや特殊なイオン交換樹脂などを駆使して不純物や汚れを除去、一定の清浄度を達成した後に工場内で再利用する仕組みだ。
この背景には、中国華北地区などでの慢性的な水不足がある。とくに今年は、北京市で5月以降の降水量が極端に少なく、重慶や武漢など長江流域でも、70日以上雨が降らないという、1949年の建国以来の歴史的な渇水となっている。経済への打撃も懸念されており、北京市では工業用水の無駄遣いに罰金を科す制度も導入したほどだ。
ただし、世界的な景気拡大を背景に、中国各地での設備投資意欲は高い。同社では今後、工業排水の再利用システムの需要は急速に伸びていくとみている。当面は現地に進出している日系、外資系企業を中心に市場を開拓。3年後には5億円程度の売り上げを見込んでいるという。