小泉純一郎首相のカザフスタン、ウズベキスタン訪問を契機に、日本と、ロシア・中国との間で中央アジアのエネルギー資源をめぐる争奪戦が激化しそうだ。ただ、中露両国は同地域の開発で先行しており、日本は苦しい戦いを強いられるとの見方も出ている。
カザフのエネルギー資源をめぐっては、昨年8月、中国石油天然ガス(CNPC)が、カザフに開発権益を持つカナダの石油企業ペトロカザフスタンを買収。12月にはカザフ-中国間の石油パイプラインが開通し、中国向けの本格輸出が始まった。
ブルームバーグによると、ロシアも天然ガス世界最大手のガスプロムが、カザフの天然ガス大手カズムナイガスと合弁企業の設立に向けた検討に入ったという。
一方、ウズベキスタンでは露ルクオイルのほか、仏ソフレガス、米BCIインダストリーなどの石油・天然ガス企業の進出が相次いでいる。
日本も国際石油開発帝石ホールディングスの子会社が、カスピ海沖にあるカザフスタンの油田の開発権益を獲得している。ただ、両国から日本への石油・天然ガスの輸送は輸送距離が長いため、直接輸入は行っておらず、生産した原油は欧州向けに販売されることになる。
日本が今後、エネルギーの安定供給に向け、両国で新たな開発権益を確保した場合は、欧州メジャー(国際石油資本)などとの間で他地域の産油施設からの原油と交換する仕組みなどを活用するものとみられる。
日本はカザフ、ウズベク両国をめぐる資源争奪競争でやや出遅れた感が否めず、今後中露や欧米企業にどこまで対抗できるかは未知数だ。
また、原油・ガス以外の資源をめぐっては、日本の関西電力と住友商事がカザフのウラン鉱床開発を決めているが、最近、人権問題に批判的な欧米の非鉄金属関連の企業が、政府の圧力を受け撤退を迫られる例もあり、日本政府も外交面で難しい対応を迫られる可能性がある。
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【用語解説】ウズベキスタン
天然ガス生産量は年間557億立方メートルと、旧ソ連諸国ではロシア、トルクメニスタンに次ぎ3位。石油、非鉄金属資源なども豊富に持つ。ソ連崩壊後、米軍に基地使用を許可するなど欧米と積極的に関係改善を図っていたが、2005年に発生した反政府運動への鎮圧事件を巡り対立。その後急速にロシア、中国との関係強化に動いているといわれる。
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【用語解説】カザフスタン
旧ソ連諸国の中央アジア最大の国土を有し、ウラン鉱石で世界第3位の生産量を誇る。石油、天然ガスなどのエネルギー資源も豊富に持つ。政治面では1990年に就任したナザルバエフ大統領が現在も実権を握っており、同大統領が事実上の独裁体制を敷いている。