浜松ホトニクスが細胞画像の表示装置、「パーソナル医療」に光

患者1人ひとりに適合する薬剤を提供する「パーソナル医療」の実現に道を開く、画期的な細胞画像の表示装置が登場する。光関連製品最大手の浜松ホトニクスは29日、微少な細胞組織が発する光(蛍光)を高解像度なデジタル画像に変換する装置を開発、10月15日に発売する、と発表した。
 蛍光組織は、光の照射時間の経過によって色あせ(退色)するため長時間の観察は難しかった。新装置は退色する前に蛍光組織全体をデジタル化するため、時間を気にせず組織全体を把握しながら細部を観察することも可能で、医薬品開発などに広く活用できる。
 例えば、がん治療で用いられる抗がん剤は、特定のがん細胞だけに効くものがなく、他の正常な細胞も壊してしまい副作用としてしばしば問題になっている。特定のがん細胞にだけ効果のある医薬品が求められており、新装置はその開発に威力を発揮しそうだ。

 新装置「L10387」は、昨年4月に同社が開発した病理スライドスキャナー「NDP」のオプション機器として開発した。
 NDPは、透過照明を用いて細胞核や細胞質を染色して組織形態などの病理標本をデジタル画像に変換するもので、新装置をセットすれば、蛍光組織全体を対物レンズで20倍相当に拡大しても約3分という高速でデジタル画像に変換する。また、従来の一般的な顕微鏡カメラの約400倍にあたる約19億画素という高解像度で実現する。
 新装置は、蛍光照明光学レンズと照明光源(ランプ)、フィルター3種、校正用スライドで構成し、価格は500万円。