メガバンクのロシア進出が本格化してきた。三菱東京UFJ銀行が大手銀行として初めてロシア国内での営業免許を取得したほか、みずほフィナンシャルグループ(FG)も進出検討に入った。トヨタ自動車がサンクトペテルブルクで工場建設に入るなど日本企業の進出が増えると見込まれ、ビジネス拡大が期待できることに対応する。ロシア進出は、公的資金完済によって、メガバンクが攻めの経営に転じる象徴ともいえそうだ。
大手銀行で先行してモスクワに駐在員事務所を設置した三菱東京UFJ銀は、営業免許取得を機に事務所を現地法人に格上げ。年内にも企業向け融資や送金、為替、決済など本格的な銀行業務を始める方針だ。
三井住友銀行も、昨年8月にモスクワに駐在員事務所を開設し、情報収集と企業向けのコンサルティングに乗り出した。
みずほFGのみずほコーポレート銀行は、地方銀行のみちのく銀行(青森市)が日本の銀行として唯一持っているロシアの現地法人と3店を買収する方向で検討に入っている。
2006年上期(1~6月)のロシアのGDP(国内総生産)成長率は6・3%と、前年同期の成長率5・7%を上回った。産油国のロシアは原油高の恩恵もあって高い成長を持続している。この結果、生活水準が向上して中間消費者層が増えつつあり、自動車や素材など幅広い業種が日本から進出し始めている。
トヨタに続き、日産自動車もロシア進出を決めており、これに伴って、自動車部品など周辺企業の進出ラッシュも見込まれている。現地では今後、日系企業への融資や現地当局との交渉、合弁先企業の紹介など、メガバンクが活躍できる舞台が増えるのは確実で、これが各行の進出を後押ししている。
ただ、ロシアは社会情勢が不安定などのリスクを抱える。「現在の経済成長は原油高騰に支えられている面が強く、先行きは不透明」(銀行関係者)と、経済成長には慎重な見方もある。