三菱東京UFJ銀行が、ATM(現金自動受払機)手数料の無料化を進める東京スター銀行に対し、自行の顧客が東京スター銀のATMを利用できる契約の解除を通告したことが22日、明らかになった。顧客が東京スターのATMに流れ、銀行間でやりとりする手数料を支払う三菱東京UFJの負担が重くなる可能性があるためだ。東京スターは全国約1600の金融機関と同様のATM提携をしているが、他の大手行や地銀も契約解除を検討する動きを見せ始めた。
大手行では公的資金の完済が相次ぎ、多額の利益が計上されるようになった。一方で預金金利は依然低水準で、顧客からは「ATM手数料の無料化などで利益を還元すべきだ」との声が高まっている。それだけに、無料ATMを利用できる契約の解除が広がれば、顧客の不満が高まるおそれもありそうだ。
東京スターは現在、首都圏を中心に約950台のATMを設置。04年5月からは、他行キャッシュカードでも平日昼間などにATMで現金を引き出す際の手数料を無料にしている。今年3月には、コンビニエンスストアチェーンのサークルKサンクスと提携。07年2月までに、各店に1台ずつ約1400台を設置する予定で、同様の無料サービスを提供する。
三菱東京UFJとの契約では、同行の顧客が東京スターのATMで現金を引き出した場合、顧客の手数料は無料だが、三菱東京UFJは1件当たり105円の銀行間手数料を東京スターに支払う。東京スターとすれば、手数料無料という「武器」で三菱東京UFJの顧客を呼び寄せ、手数料は銀行側から確保する格好になる。
この構図は、三菱東京UFJ以外の銀行との関係にもあてはまる。他行からも「他の銀行の顧客へのサービスで、収益を上げようとしている」(大手行)との不満が出ており、三菱東京UFJへの追随を検討する動きも出ている。
一方、東京スターは「総合的にさまざまな対応を検討したい」としているが、手数料ゼロという意味の「ゼロバンク」をうたってサービスを提供しているだけに、顧客手数料を有料化するのは難しいのが実情。銀行間手数料の引き下げなどが、検討課題になるとみられる。