三菱UFJ証券を完全子会社化へ 来年3月末、グループ内の連携強化
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は29日、傘下の三菱UFJ証券を、株式交換により完全子会社化すると発表した。グループの証券子会社を完全子会社化することで、グループ内で銀行・証券の連携を深めて個人向け金融サービスを強化し、収益力向上を目指す。
MUFGは、2006年3月末時点で三菱UFJ証券の発行済み株式の61・23%を保有する筆頭株主。残る株式を金融当局の認可を得た上で、MUFGとの株式交換によって07年3月末に取得する。これに伴い、三菱UFJ証券は上場廃止となる。株式交換比率は外部機関の評価も踏まえて今後、協議の上決定する。
三菱UFJ証券は準大手証券の一角を占め、05年10月に三菱証券とUFJつばさ証券が合併して発足した。06年3月期は営業収益3096億円、最終利益611億円。営業拠点は国内外に137拠点あり、従業員数6211人。
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≪“銀証連携”の流れ進む みずほFGの動向注目≫
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が三菱UFJ証券の完全子会社に踏み切るのは、総合金融グループとして利益率の高い投資銀行業務など証券ビジネスを完全に取り込み、リテール(個人・小口)事業の競争力を高める狙いがある。
規制緩和に伴い、銀行・証券間の垣根が一段と低くなり、銀行の証券仲介業務も解禁された。一方で、企業を中心に資金を貸し出して利ざやを稼ぐかつての銀行の収益モデルが勢いを失いつつある。「貯蓄から投資へ」と資金が移る中で、MUFGはグループの収益力を高めるためには、非上場で機動的な運営ができる証券子会社との連携強化が不可欠と判断した。
すでに投資性商品を販売するため、三菱UFJ証券から三菱東京UFJ銀行に500人が出向したり、三菱UFJ証券、三菱東京UFJ銀、三菱UFJ信託銀行が共同店舗「MUFGプラザ」を出店したり、銀行・証券の連携を強めている。完全子会社化によって、こうしたグループ間の協業を加速させるのは間違いない。
ほかの銀行グループでも、証券連携を重視した動きが起きている。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は9月に株式交換によって傘下のSMBCフレンド証券を完全子会社化するほか、ネット専業のソニー銀行も証券仲介業に本格進出するために海洋証券の買収を決めた。
今後、メガバンクで注目されるのがみずほFG。傘下に個人向けのみずほインベスターズ証券を抱えており、他のメガバンク同様、完全子会社化に動く可能性もある。ただ、傘下には総合証券の新光証券、法人向けのみずほ証券もあり、状況によっては3証券の再編に発展するとみる向きもある。