【中国】火力使わず廃棄物処理 テクノプラント 日照市に装置導入
ベンチャー企業のテクノプラント(東京都中央区)は、山東省日照市の鉄鋼メーカー、日照鋼鉄と火力を使わない廃棄物炭素化処理装置「華宝納2000」を導入することで合意した。
廃棄物処理装置というと、一般的には、焼却炉やコークス(蒸し焼きにした石炭)などを使ってゴミを溶かす直接溶融炉が中心だ。同社の廃棄物炭素化処理装置は、装置室にごみや廃棄物をコンテナごと搬入し、酸素を排出した上で、窒素を送り込み450度以下の低温処理できる仕組みで、火力を使わないのが最大の特徴だ。
窒素を送り込むことで、電気加熱して水分を蒸発させ、ガスを液化するため、化学反応がなく、ダイオキシンなどの有害物質や煙が発生せずに、安全性も高いという。
加えて、ごみを炭化することで副産物として出る炭化物が、防音壁や護岸工事向けの防波堤のコーティング材などに再利用したり、加工すればナノレベルのハイテク材としても利用できることから、ゴミを資源に活用できると注目されている。
日照市に導入するプラントは年内にも着工し、来年中にモデルプラントとして稼働する計画。今月7日から2日間、山東省の済南市で開催された「山東第2回緑色(環境)産業国際博覧会」で、日照市のブース内で同技術を紹介したところ、市などの地方政府からの関心が高かったという。
テクノプラントは、技術の使用料(ロイヤリティ)を得て、同技術を日照鋼鉄のプラントエンジニアリング部門に供与し、中国側が製造する。日照鋼鉄のプラント部門は、今後自社の鉄鋼廃材の焼却炉として活用するだけではなく、省内や他省の自治体向けに販売する計画だ。
日照市をはじめ山東省の沿岸部は近年、急速な経済発展が続く中で、生活ゴミや産業用廃棄物処理が社会問題化している。山東省はGDP(国内総生産、05年)では中国第2位だが、省エネや環境対策の実行面では広東省などに水を空けられており、対策が急務になっている。
また、同装置は装置自体が火気を使わず二酸化炭素の発生を大幅に抑制できることから、京都議定書に基づく排出権CDM(クリーン開発メカニズム)として中国政府の承認を取る準備も進めている。
従来は環境装置導入に温暖化ガス削減に効果のある排出権が承認された前例はないが、現在日本の承認機関や中国側とも調整している。
廃棄処理装置は、日本では「カーボナー2000」の名称で展開している。静岡県富士市内に日量10トン処理の実証プラントを設置した事例があるほか、現在地方自治体向け実証装置に内定している。テクノプラントは中国での売り込みを実績に日本市場でも販売を拡大したい考え。