2つの生体認証に対応したカード 10金融機関が採用へ

指静脈と手のひら静脈の2種類の生体認証方式に対応するキャッシュカードが、金融機関の間で広がる。関西地銀の泉州銀行(大阪府岸和田市)が9月から金融機関として初めて導入するのに加え、来年度までに10程度の金融機関が採用する見込みであることが、31日分かった。認証方式の違う金融機関のATM(現金自動預払機)でも、一枚のキャッシュカードで対応でき、顧客の利便性が向上できるとして今後も拡大しそうだ。

 金融機関の生体認証では、「指先」方式と「手のひら」方式による2つの静脈認証が主流だが、これまでは各金融機関が採用した方式でしかカードを利用できなかった。

 これに対して、2種類の生体認証に対応するICキャッシュカードが登場し、1枚のカードに顧客の指先と手のひら静脈の両方のデータを登録。どちらの方式でも個人を認証できるようになった。対応ICキャッシュカードは、大日本印刷が開発した。

 この2つの生体認証に対応したカードを、泉州銀行は「利便性を向上できる」として採用。店舗の窓口に指先と手のひら両方のデータ登録ができる装置も設置する。コストは従来方式の生体認証カードとほぼ変わらないため、泉州銀以外でも来年度までに10程度の金融機関で採用が見込まれている。

 金融機関の間では、三井住友銀行やみずほ銀行、りそな銀行、日本郵政公社などが指先方式を採用または採用を予定しているのに対し、三菱東京UFJ銀行が手のひら方式を採用。方式が違うために、「生体認証の普及の足かせとなっている」(関係者)との指摘があった。

 生体認証は、身体的な特徴から本人を確認する技術で、静脈認証は体を通る静脈の形状が複雑で変化しないことを利用して個人を識別する。ATMでは、専用読み取り機に指や手をかざして静脈パターンがカードに登録された情報と一致すれば、預金の引き出しなどが可能になる仕組み。銀行ではキャッシュカードの偽造や盗難による不正利用を防ぐため、導入が相次いでいる。

 全国銀行協会のアンケート調査によると、偽造キャッシュカードによる預金引き出しなどの被害は2003年度の111件から、05年度は634件にまで急増している。

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