新日本製鉄は31日、鉄鋼原料の安定調達を狙い、豪州で炭鉱の新鉱区開発に40億円弱の投資を決定したと発表した。新鉱区開発は2007年に着工、09年から石炭生産を開始する計画だ。
対象となる炭鉱は、シドニーの北西約150キロに位置する「バルガ炭鉱」。石炭産出は、地上で掘り取る露天掘りと、坑道を設けて掘る坑内掘りがそれぞれ年間500万トンで、合わせて1000万トンという豪州有数の規模となっている。
新鉱区開発はスイス資源開発大手のエクストラータなどと共同で行い、総事業費は約3億5000万豪州ドル(約300億円)。
新日鉄は、バルガ炭鉱で掘り出した資源などの供給を受けられる権益(権利)を12・5%保有しており、新鉱区開発もこの比率に応じて40億円弱を投資する。エクストラータの権益比率は68%。
バルガ炭鉱は09年末に現在生産している坑内掘り鉱区が掘り尽くされることから、新たな鉱区の開発が必要となっていた。新鉱区開発により、10年以降も年産1000万トン規模が維持される見通し。
新日鉄は、鉄鋼生産に利用する原料炭を年間2300万トン規模調達している。また、バルガ炭鉱を含め豪州とカナダに権益を持つ炭鉱が7カ所ある。
近年、鉄鋼産業は需要増加や中国鉄鋼メーカーの台頭などで、世界的に生産規模が増加傾向にあり、それとともに原料を安定的に調達していく必要性が高まっている。炭鉱の権益を獲得する施策は、この安定調達に役立つため、今後、権益の比率向上や権益を持つ炭鉱の拡大などが進んでいきそうだ。