WSJ-ロッキード、次世代有人宇宙船「オリオン」受注

米防衛大手ロッキード・マーチン(NYSE:LMT)は8月31日、次世代の有人宇宙船(CEV)「オリオン」の建造を米航空宇宙局(NASA)から受注したと発表した。受注規模は、打ち上げ後の収入も含めると81億ドルを超える可能性がある。この番狂わせの受注は、同社の大規模プロジェクト運営能力を政府が信頼していることを浮き彫りにした。

ロッキードは、1960年代の「アポロ」のような円すい形の再利用可能な宇宙船を開発・建造し、まず乗組員と物資を、軌道を周回する国際宇宙ステーションに運ぶ。NASAの壮大な有人探査計画によると、オリオンは早ければ2020年に乗組員とともに再び月に向かう。その後、火星の有人探査に向けて主要な役割を果たす予定だ。

ロッキードは、有人探査関連で実績のあるノースロップ・グラマン(NYSE:NOC)とボーイング(NYSE:BA)などで構成するグループを退けて今回の契約を獲得した。NASAのさまざまな決断をみると、発注企業の選択は、確実な実行計画でNASAを説得させることができたかどうかが最も大きな鍵を握っていたようだ。ノースロップとボーイングはそれぞれ、今後NASAが、ロケット、月面着陸船など、オリオンを支援する機器の入札の段階に入った時点で契約獲得を目指すとしている。ロッキードも一部の入札に参加する予定。

オリオン受注の第1段階は39億ドル相当で、2013年までオリオンの開発とテストを手掛ける。作業の一部はロッキードとボーイングの既存の共同出資会社に振り分ける。宇宙飛行士を乗せたオリオンを14年までに打ち上げるのが目標だ。

さらに19年までに、製造と技術サービスで42億5000万ドルの収入が生まれる可能性がある。ただNASAは、追加の作業量は柔軟に変化すると強調している。

NASA幹部は、ロッキード選択の背景について詳しく言及していないが、業界幹部によると、同社の事業手続き管理能力や生産能力が、予算や生産計画の要請に応えることができると評価されたもようだという。米議会下院の宇宙航空小委員会のカルバート委員長(共和党、カリフォルニア州選出)は、「NASAの意思決定において、ロッキードの全般的な管理能力は個々の技術の優秀さよりも重要だった」と述べた。

ロッキードが受注したことは、業界関係者ばかりでなく、受注を逃すと非公式に予想していた一部のロッキード幹部をも驚かせた。有人宇宙事業の分野では、ノースロップとボーイングは1960年代の「ジェミニ」から月面着陸船、スペースシャトルまで、あらゆる有人宇宙船を手掛けており、ロッキードは後じんを拝していた。

ロッキードによると、オリオンプロジェクトでは最大2300人の雇用が創出され、そのうちデンバーにある同社の航空宇宙関連施設だけで約600人になるという。ボーイングの技術者の一部も同プロジェクトのために引き抜かれる可能性があり、ボーイングに追い打ちをかけることになるかもしれない。

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