インド富裕層に着目 欧米金融機関、2年で2倍に 個人資産運用市場100億ドル

欧米の金融機関がインドで急増する富裕層の個人資産運用に熱い視線を注いでいる。経済発展を背景に急速に台頭するインド富裕層の資産運用残高は100億ドル(約1兆1600億円)にのぼるが、今後2年でさらに2倍の規模になると見込まれる。英バークレイズ銀行や米メリルリンチ、シティグループ、クレディ・スイスなどが、相次いで資産運用のためのファンドマネジャー配置や資金管理システム導入など、インド人の顧客獲得に動き始めている。

 ブルームバーグが8日伝えたところによるとバークレイズは、富裕層向けの資産運用ビジネスに参入するため、ファンドマネジャーなど50人をインドで採用すると発表した。インドにおけるシステム導入や人材確保などに、3億7000万ドル(約430億円)を投じる方針で、インドでの個人資産運用残高を今後3年間、年率15%のペースで増やしたい考え。

 バークレイズの投資銀行部門アジア最高経営責任者(CEO)であるロバート・モリス氏はロイター通信に対し、「インド通貨『ルピー』が国際通貨としてさらに力をつければデリバティブ(金融派生商品)ビジネスは飛躍的に成長する魅力的な市場だ」と話した。

 また、米シティグループもインドで個人資産運用に向けて100人の雇用を発表。クレディ・スイスも昨年、ムンバイにオフィスを開設した。

 シティのインド部門担当者は「好調な企業業績などから個人資産の運用意欲は(インドで)急増する」とみている。

 メリルリンチによるとインドで個人の金融資産が100万ドル(約1億1600万円)を超える富裕層は昨年で8万3000人に達し、前年比で20%近く増えたという。

 こうした運用資金の規模増大が運用益の増大にも結びついていると見られ、インドで1人当たりの投資利益は過去10年で2倍以上になった。インド政府は、年率で8%の経済成長ペースを維持できると見込んでいる。

 インドや中国など急成長を続けるアジアで、個人資産を増大させる富裕層も増えている。ブルームバーグは、富裕層の人数の年間増大率で欧州が4・5%、北米6・9%なのに対し、インドや中国を含むアジアで7・3%と「リッチ度」が高まっていると伝えた。アジアで富裕層は240万人に達しているという。

 こうしたアジアのニューリッチ層が個人資産の管理や運用で、欧米金融機関にアドバスを求めるケースが増えている。

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