建築構造物などの劣化防止剤メーカー、ケミックス(東京都千代田区)は、施工に要する費用を従来の約半分に抑えられるアスベスト処理剤を開発した。アスベスト規制を盛り込んだ10月1日の改正建築基準法施行を受け、一連の対策に使う建材の基準を満たす国土交通大臣認定の第1号を目指す。
アスベスト繊維が吹き付けられた壁面などに霧状の処理剤を組み合わせて散布すれば、繊維内部のすみずみまで浸透し安定した結晶体を形成する仕組み。
アスベスト吹き付け面を除去する際に繊維が飛び散らず、大規模な足場の設置工事や飛散防止対策などを軽減できる。
また、そのままの状態で繊維を外気に触れないように安全に封じ込めておけるため、除去後に1500~1700度の超高温の炉で溶かして処理する費用なども抑えられる。封じ込めが完了すれば、普通の外壁と同様にペンキの塗布などの加工も可能だ。
除去工事で1平方メートル当たりの費用を比較した場合、施工面積300~1000平方メートル未満で8000~2万円と従来(1万5000~3万円)の半分前後。1000平方メートル以上でも8000~1万円と同様の安さを実現した。
処理剤は水溶性、無機質の機能性触媒で構成。既存のコンクリート劣化防止剤のノウハウをアスベスト対策に応用した。早ければ年明けにも処理剤を使った各種工法の大臣認定も取得する見通し。
処理剤の販売や施工法のノウハウ提供などで初年度2億円、2年目で27億円の売り上げを見込む。