野村不動産HD 東証1部上場 終値4120円 不動産投信で信頼感
大手不動産持ち株会社の野村不動産ホールディングスが3日、東京証券取引所1部に上場し、市場取引の初値は公募・売り出し価格の3500円を11%上回る3900円となった。新規発行の3600万株による売り出し調達額は約1260億円で、今年の新規上場案件で最大規模。終値は4120円で公募価格を大幅に上回った。同日記者会見した鈴木弘久社長は、「落ち着いた値がつき安心した」と語った。
同社の時価総額は約6150億円に達し、既上場の大手不動産の一角である東急不動産を上回る規模となった。調達した資金のうち半額の約600億円は有利子負債の返済に充てる。同社の総資産は06年3月時点で6892億円、有利子負債は4100億円であったが、上場により財務体質は一定の改善が見込める。
残り約600億円について、鈴木社長は「地域開発、住宅投資、ビルや商業施設などの仕入れに当てたい」としている。
具体的な大型再開発案件としては、神奈川・相模大野駅西側地区再開発事業が注目される。小田急線相模大野駅徒歩2分の好立地に285戸の住居部分と、シネマコンプレックスを含む3万6280平方メートルの商業床を構築する大型複合開発だ。さらに都市部にあるオフィスビルの建て替え案件なども大きな資金需要先となりそうだ。
みずほ証券の不動産チーフアナリストの石澤卓志氏は、「好調なマンション事業に加え、新宿野村ビルを始めとする優良保有物件、不動産投資信託(REIT)への高い評価などが投資家の関心を集めている」と分析している。
さらに、上場することのメリットとして、石澤氏は、「REIT運営会社としての信頼度向上」を挙げる。本来REITは運用利回りで評価すべきだが、日本では運営会社の信用度が重視される傾向にある。野村不動産HDは、上場することで三井不動産などに並ぶ信頼を得られるわけで、東証1部への上場にこだわった理由もそこにあるようだ。