印タタ、英コーラス買収へ 業界5位企業誕生、鉄鋼再編さらに加速
鉄鋼世界56位の印タタ・スチールは20日、同9位の英蘭系コーラスを43億ポンド(約9500億円)で買収することで合意したと発表した。実現すれば、合併後の新会社は同5位となる。最大手の蘭ミタル・スチールが2位のアルセロール(ルクセンブルク)を買収したことを契機に、鉄鋼業界のM&A(企業の買収・合併)が加速している。
今回の買収は現金で行い、タタはコーラス株一株につき455ペンスを支払う。インド企業による外国企業の買収としては過去最大となる。米紙ニューヨーク・タイムズは、今回の買収が鉄鋼業界のM&Aをさらに加速させるとの見方を示した。
鉄鋼業界では今年、ミタルとアルセロールの統合で誕生したアルセロール・ミタルとの競争に後れをとらないよう、経営規模拡大の可能性を探る動きが活発化している。
アルセロール・ミタルの年粗鋼生産量は約1億1600万トンと世界市場の約10%に達し、生産量3000万トン級の2位、新日本製鉄や3位、韓国のポスコなどに大きく水を空けた。
巨大メーカーの誕生に対抗し、「業界内のバランスをとろうとする動きが出る」(鉄鋼業界関係者)とみられているが、すでに大手各社は他社の買収による経営規模拡大を検討する一方、他社から買収の標的にされた場合の防衛策の検討を急いでいる。
欧米メディアによると、一時、アルセロールとの合併で合意していた露最大手のセベルスタリや独ティッセンクルップが、再編の目になるとみられている。
新日本製鉄はポスコと資本面での結びつきを強化。JFEスチールも韓国の東国製鋼との資本関係を強化しており、タタのコーラス買収を機に「同様の提携がさらに増える」(日本の大手メーカー)とみられている。
◇
◎鉄鋼大手の2005年粗鋼生産量
1.ミタル・スチール 4989
2.アルセロール 4665
3.新日本製鉄 3291
4.ポスコ 3142
5.JFEスチール 2957
6.上海宝鋼集団 2273
7.USスチール 1926
8.ニューコア 1845
9.コーラス 1818
10.リーバ 1753
56.タタ・スチール 440
(単位:万トン、出典:Metal・Bulletin)