大成建設がUAEで海草移植実験に成功

ドバイ沿岸に 生態再生に道

 大手ゼネコンの大成建設は、アラブ首長国連邦(UAE)の政府系建設会社であるナキール社と共同で、ドバイ沿岸の天然海草群落のそばにマットを設置し、海草を移植させる実験に成功した。日本国内では成功例があるが、日本企業が海外で移植実験に成功したのは初めてという。今後は、マットを他の場所に移す実験を行い、将来的には数ヘクタール規模での移植をめざしたい考えだ。

 海草群落は、魚の産卵場や稚魚の育成の場となるため、自然環境保護に役立つ。破壊された海洋生態系の再生などに道を開きそうだ。

 今年4月から行ってきた実験では、富裕層向けの巨大な人工リゾート島があるドバイ沿岸の天然海草群落近くに、50センチ四方のマットを30枚以上設置。天然の海草であるウミジグサとウミヒルモが落とした種子をマットが受け止め、発芽させることをめざした。マットの素材にはヤシ繊維が用いられており、波の強い現地の状況を考慮し、地面に固定させるなどの工夫をした。大成建設によると、ドバイ沿岸は単調な地形のため海草が育ちにくいという。実験ではそうした環境下でも、自然繁殖した海草が順調に育っていることを確認した。

 同社はドバイでの実験に先立ち、三重県の英虞湾で海草の一種であるアマモの移植実験を行い、マットへの移植に成功している。

 今回のUAEでの実験成功は、移植技術が亜熱帯でも適用できることを実証したことになる。今後は2年間にわたり、海草が根付いたマットを、海草が生育していない場所に移す実験を行う計画だ。

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