ロケット製造の巨大企業誕生 ボーイングとロッキードが連合

米国でロケット産業の巨大連合が誕生する。米当局は10日までに、米航空宇宙・防衛最大手のボーイングと同2位ロッキード・マーチンが共同設立を申請していた米国政府向けロケット製造の新会社を承認した。軍事用衛星予算の削減を目的としたものだが、新会社は民生用市場でも圧倒的な存在感を示しそうだ。

 《両社が折半出資》

 両社は米連邦取引委員会(FTC)から新会社設立の承認を受けたと発表した。

 新会社「ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)」(コロラド州)は、米政府向けロケット事業を統合し、軍事用通信衛星や偵察衛星を打ち上げるためのロケットの製造と打ち上げを請け負う。従業員は約3800人、資本金は約10億6000万ドル(約1300億円)で、両社が折半出資する。

 ボーイングは「FTCの決定で、政府が求める安全保障や民間、科学分野における低コストの打ち上げサービスが実現する」との談話を発表。米紙ロサンゼルス・タイムズによると、両社は新会社設立により政府予算を年間で1億5000万ドル(約180億円)削減できると試算している。

 《日欧にも脅威》

 新会社は両社が昨年5月に設立を計画したが、大手2社による市場寡占の弊害が指摘されてきた。今回の承認は、企業間競争や市場秩序の維持より、軍事技術の高度化や予算削減での効果を優先する判断ともいえそうだ。

 両社は米空軍からのロケット受注合戦でボーイングがロッキードの内部情報を不正入手する事件を起こすなど熾烈な戦いを続けてきたが、今後は開発費削減や競争力強化に向け協力する。

 ブルームバーグによると、米軍は今後、約28機の衛星を打ち上げる計画で、約73億ドル(約8700億円)の費用を見込んでいる。新会社は、3位のノースロップ・グラマン以下のライバル会社とこの巨大市場を争うことになるが、新会社の優位は簡単に崩れないとみられる。

 また、ボーイング-ロッキード・マーチン連合がロケット製造の技術やコスト面で国際的な競争力を確保できれば、米軍事部門だけでなく、海外の民生用ロケット市場も席巻する可能性があり、日欧のメーカーにとっては脅威となりそうだ。

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 ■世界の防衛関連企業の2005年の防衛関連売上高

 1 ロッキード・マーチン (米国)364

 2 ボーイング      (米国)307

 3 ノースロップ・グラマン(米国)233

 4 BAEシステムズ   (英国)209

 5 レイセオン      (米国)182

 ※出展・防衛情報サイト「ディフェンス・ニュース」、単位・億ドル

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【用語解説】ロケット産業

 ロケットは情報衛星や偵察衛星などの政府・軍事向けと、通信事業者など商業衛星を打ち上げる民間向けの2つに大別できる。製造に加え打ち上げサービスを行うメーカーもある。日本では三菱重工、欧州では仏アリアン・スペースが代表的メーカーだが、年に3~4機を打ち上げないと製造ラインの維持が難しく、国際的な受注競争は激しい。

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