損保大手の日本興亜損害保険は16日、厚着をして室温を下げる省エネ活動の「ウォームビズ」向け衣料品を扱うデパート、スーパーなどの小売業者を対象に、暖冬による事業損失を補償する専用保険「WARM BIZ(ウォームビズ)」を商品化、販売を始めたと発表した。気候変動による損失を補償する天候デリバティブと呼ばれる金融派生商品の一種で、補償対象をウォームビズ活動に特化した商品は初めて。
この商品は利用すれば、小売業者は、暖冬で、ウォームビズ用に仕入れた冬物衣料品が売れ残った場合、在庫の管理費や処分売りなどによる損失負担を補償金で軽減できる。
契約条件には「平均気温プラン」と「体感気温プラン」の2種類を用意した。
平均気温プランは、今年12月1日から来年2月28日までの90日間で、1日の平均気温が事前に取り決めた温度を上回った場合に補償金を支払う。
一方、体感気温プランは、特にウォームビズを意識し、平均気温の変動に加え、体感温度に大きく影響する平均風速を条件に追加。事前に決めた風速の強さを下回り、体感気温が温暖な場合に補償金を支払う仕組みとした。両プランとも、支払い条件に合致した気候の発生日数ベースで個別に補償期間を設定する。契約料金は50万円以上。補償額は、たとえば体感気温プランの契約料金50万円の場合で、一日あたり23万円、最大支払額(19日分)は437万円とした。
同社は、冬場のウォームビズ、夏場の「クールビズ」を推進する地球温暖化防止運動「チーム・マイナス6%」に参加しており、今回の保険商品の売り上げの5%相当額は、地球環境保護団体に寄付する方針。
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【用語解説】天候デリバティブ
暖冬や冷夏による農作物被害をはじめ、気候条件の変動で発生する損失リスクを回避する目的で開発された金融商品。あらかじめ、一定の気候・気象の変動条件を契約で取り決め、実際にこの条件に合致する気候・気象が発生した場合に、損失への補償金が支払われる。契約条件には気温や日照時間のほか、来客数やイベント開催に影響する台風の通過数など、契約者の回避したいリスク要因に応じてさまざまな条件が設定される。経営破綻(はたん)した米国エネルギー取引大手のエンロンが1997年に初めて商品化した。