三井住友海上が雷補償デリバティブを発売 国内初

三井住友海上火災保険は17日、工場やレジャー施設などの落雷による被害や減収などのリスクを補償する「雷デリバティブ(金融派生商品)」を発売した。雷による被害の補償に特化した商品は国内初という。

 新商品は、工場など契約した地域内で一定回数以上の落雷があった場合、雷が落ちた数に応じて補償金を支払う。契約料金は60万円以上で、落雷1回あたりの補償金額は10万円から。契約は1カ月単位で最大1年まで。

 同社によると、雷による企業の被害は増加傾向にある。ゴルフ場などのレジャー施設では落雷の影響で売り上げが減少するケースがあるほか、精密機械を扱う半導体工場でも落雷による一瞬の停電で不良品が発生し被害が生じる。こうした損失負担を補償する商品のニーズが高まっていると判断、商品化に踏み切った。

 販売対象地域は冬の落雷が多い中国地方のみで、補償の可否を判断する落雷のデータは中国電力から提供を受ける。落雷は夏に多いが、落雷データの提供企業を探して来夏には首都圏での発売も目指す。条件が整い次第順次全国に販売地域を広げる方針だ。

 同社は現在、金融庁による業務停止命令が一部継続しているため保険商品の新設ができないが、デリバティブは対象外になっている。

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 ■天候型、商品開発で競争

 天候デリバティブは暖冬や冷夏による農作物被害など、天候の変動によって発生する損失リスクを回避するために開発された金融商品。1998年12月に施行された金融システム改革法で損保会社の「店頭デリバティブ取引」の取り扱いが解禁されたことを受け、99年に初めて商品化された。

 四季ごとのリスクを補償する商品がラインナップされているが、取り扱いが多いのはやはり夏と冬。主に大企業などを中心としたオーダーメード型商品と、今回の「雷デリバティブ」のようなある程度補償内容をパック化した定型商品に大別される。

 従来の顧客層は、レジャー産業など天候の影響を直接受ける業種に限られていたが、最近はリース会社が機械設備をリースする際に天候デリバティブをセットで提供するほか、気温で利率が変わる預金を扱う銀行がヘッジ策として利用するなど多様な業界の利用が増えている。

 三井住友海上では2006年3月末の天候デリバティブの契約額が前期比約4倍の約82億円と大幅に伸びたが、一方で「契約はほぼ横ばい状態」(大手損保)という声もある。今後、ニーズの先取りが競争力を左右しそうだ。

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