【中国】富豪1位に不正融資疑惑、195億円、関係者ら身柄拘束
政権構想絡み波紋も
米誌、フォーブスが選んだ2006年の中国富豪ランキングで180億元(約2700億円)をもつとしてトップに輝いた民間企業経営者に、13億元(約195億円)にのぼる銀行からの不正融資疑惑が浮上し、関係者ら30人以上が捜査当局に身柄を拘束される事態になっている。中国誌、財経が報じた。疑惑の渦中にあるのは中国最大の家電量販チェーン、国美電器の黄光裕主席(37)。黄氏は市場経済化の過程で若くして成功した立志伝中の人物。北京や上海の政界権力抗争もからみ、波紋が広がりそうだ。
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≪家電量販店トップ≫
同誌によると、黄氏と共同経営者で実兄の黄俊欽氏(39)は1990年代初め、家電販売店の創設資金として、担保を偽装し、国有4大商業銀行のひとつ、中国銀行の北京支店から13億元もの資金を借り入れた。
実際は不動産会社が保有していた住宅を黄氏らの所有と偽ったほか、銀行の内部にも共犯者が存在し、借入金はまだ返済されていないという。同行の内部調査で分かったと同誌は伝えている。
同行からの摘発を受けて中国の公安省が内偵を進めた結果、容疑が固まったとして兄の俊欽氏と同氏に連なる企業幹部28人、同行で北京支店長を務めた牛忠光氏などが身柄を拘束されている。
黄光裕氏自身は拘束されてはおらず、「疑惑の捜査とは関係ない」などと声明を出している。
黄光裕氏は中国に文化大革命の嵐が吹き荒れていた69年に生まれ、少年時代から極貧生活を送ったが、18歳の時に2歳年上の兄、俊欽氏とともに内モンゴル自治区での国境貿易で成功。その資金を元手に、91年に北京で家電販売店を開き、現在は中国全土に約200店舗をもつというチャイナドリームの体現者だ。
≪不透明な創業資金≫
だが黄兄弟は同自治区でどのような事業をしていたか明らかにしておらず、創業資金の出所を疑問視する声もあった。
黄兄弟に限らず中国ではこのところ、富豪ランクで上位に入った人物に対する疑惑が続々と浮上している。9月に上海市共産党トップが更迭された事件にからみ、昨年の富豪ランク16位で「道路大王」と呼ばれた張栄坤氏が逮捕されたほか、上海不動産問題で2002年のランク11位だった周正毅氏も逮捕された。
さらに01年の2位と3位がともに経済犯罪に関与しているとされる。
フォーブスの富豪ランキングでは今年、ランク入りの4人に1人は40歳以下だったが、若さの半面、経験不足による無理な資金繰りや、資金の獲得を目指した党や政府幹部への食い込み、贈収賄など腐敗事件への関与も指摘されている。創業者の利益や業容拡大には手段を選ばない傾向のある中国ビジネスの影の部分が浮き彫りになった。