企業数も5000社突破
中小企業金融公庫は、民間金融機関の貸付債権を証券化する仕組みを利用した中小企業向け無担保資金供給額の累計が、2006年度末で2000億円を超える見通しを明らかにした。1年前に比べ20%以上の伸びとなる。企業数も5000社を突破する見込みで、前年度比約15%増加する。
証券化支援業務が拡大したのは、対象となる中小企業の財務基準を緩和したうえ、新たな仕組みを導入したためだ。
証券化支援の仕組みを利用した中小企業向けローン担保証券(CLO)を組成することで、金融機関の中小企業向け貸付債権を中小公庫が買い取るか、部分保証することにより金融機関はリスク軽減を図れる。一方、中小企業は無担保による長期資金を確保できるメリットがある。
中小公庫が証券化支援業務に乗り出したのは04年度からで、買取型、保証型、自己型をそろえ、順調に実績を伸ばしてきた。05年度までの2年間で55金融機関が参加し、証券化を前提に4720社に、1770億円を無担保融資した。
06年度からは、買取型と保証型で対象企業の範囲を拡大。また、買取型に証券化対象の貸付債権を金融機関が中小公庫に譲渡せず証券化するシンセティック型と呼ばれる新たな仕組みを導入した。
これにより、買取型で3件実施。9月に発行したCLO(自己型と合同)では8金融機関が参加し、338社・121億円の資金供給額となった。現在は07年2月に発行予定のシンセティック型で、全国27金融機関が融資先を募集中。中小企業を対象とするCLOではこれが初めて。
同年3月には7本目の買取型CLOを発行する予定。現段階で10金融機関が参加を表明しており、融資募集期間は07年2月1日まで。一方、保証型では同年3月発行予定のCLOを組成中。これら4件のCLOを実施することで、累計2000億円、5000社を超えることになる。
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【用語解説】買取型と保証型
買取型は、金融機関が中小企業に貸し付けた債権を公庫が買い取って証券化し、市場で売れる優先(シニア)部分と中間(メザニン)部分をローン担保証券(CLO)として投資家に販売する仕組み。保証型は金融機関の中小企業向け貸付債権を公庫が部分保証(上限7割)。これにより、金融機関は貸し倒れリスクを軽減し証券化する。