米ドラッグストア大手のCVS(NYSE:CVS)は、薬剤給付管理(PBM)大手のケアマークRx(NYSE:CMX)を210億ドルで買収することで合意した。ただ両社は1日の発表によると、「対等合併」で合意したとしている。これが実現すれば、年間10億通の処方せんを処理する、米最大の処方薬サービス会社が誕生する。これは米国の処方せん総数の4分の1超に相当し、米国人の処方薬購入方法が変化することを暗黙のうちに示している。
合併新会社の名称はCVSケアマークとし、ケアマークのエドウィン・クローフォード最高経営責任者(CEO)が会長に、CVSのトーマス・ライアンCEOがCEOに就任するする予定。取締役は両社から半数ずつ出す。
合併新会社は年間売上高が750億ドルと見込まれ、ドラッグストアとPBMのどの企業をも大幅に上回る。
両社は、合併手続き完了まで6カ月から1年かかると予想している。合意条件によると、ケアマーク株主は同社株1株につきCVS株1.67株を受け取る。
このニュースに投資家は厳しい反応を示した。CVSによるケアマーク株取得のプレミアムが約3ドルにすぎないためだ。CVSの終値は前日比2.32ドル(7.39%)安の29.03ドル。その後の時間外取引では上昇に転じ、29.15ドルで取引された。ケアマークは同1.06ドル(2.15%)安の48.17ドル。その後の時間外取引では一段安となり、48.00ドルで取引された。
ドラッグストアとPBMの株価は、小売りチェーン大手ウォルマート・ストアーズ(NYSE:WMT)が9月、一部のジェネリック版(後発の類似医薬品)処方薬を最大30日分、4ドルで販売すると発表して以来、下落している。
CVSとケアマークは、合併新会社は新サービスと効率化により医薬品価格を引き下げ株主への利益還元を拡大すると約束した。ただ懐疑論者は、この合併で競争が減り医薬品価格が上昇するのではないかとみている。
この合併については連邦取引委員会(FTC)が厳しく調査するとみられ、合併条件の変更または一部事業の売却を求められる可能性がある。FTC広報担当者はコメントを避けた。
アナリストは、ドラッグストアとPBMの統合がさらに進むとみている。PBMは自らの顧客に代わってドラッグストアに医薬品価格の引き下げを迫るとともに、通信販売を推進している。
CVSとケアマークは、4億ドルの相乗効果を見込んでいる。また、米国では通信販売を利用して処方薬を購入する人が増えており、CVSはケアマークとの合併で、ほかのドラッグストアより有利な立場に立つことができる。PBMにとって通信販売は、システムの自動化などにより処方せんの処理費用を圧縮できるため、収益性が高い。
一方、消費者にとっては、この合併が有益なのかはっきりしない。医薬品価格の上昇や自己負担金の増加につながることが考えられる。ただ両社のCEOは共同会見で、価格の上昇や競争が阻害される懸念について否定した。