財政制度等審議会(財務相の諮問機関、会長・西室泰三氏)は31日、財政制度分科会などの合同部会を開催し社会保障などについて議論した。その中で、現在、予算に比べて支出が少ない状態が続いている雇用保険(失業手当)で、現状4分の1の国庫負担を廃止する建議をまとめることで合意した。
雇用保険事業の柱である失業手当は現在、25%を国が負担、残りは労使の保険料で賄われている。国庫負担は2006年度ベースで3939億円、07年度予算で3600億円(要求ベース)。
バブル崩壊以降、失業者が増えたために積立金を取り崩すなどの運営を強いられ、一時、積立金は1000億円規模まで減少。ただ、景気回復よって失業手当の受給者が01年度の月平均110万人をピークに、05年度の同62万人にまで減少したことで、積立金も2兆5000億円まで回復した。
同日会見した西室会長は「現状では国庫負担なしで賄える。大型不況の際に制度が破綻(はたん)しないように国による再保険などは検討すべきだが、国庫負担は07年度予算から不要としたい」と語った。与党からは同保険の積立金1000億円を少子化対策に充てるという案も出ていたが、財政審はまず歳出削減を先行させ、財政再建を進める姿勢を明確にした。
財政審ではこのほか、生活保護についても、現状はモラルハザードが生じているとし、支給水準引き下げや給付のあり方などの見直しが必要としている。
同日の財政審で07年度予算概算要求の検討が一巡したことから、建議作成に着手。今月21~22日には尾身幸次財務相へ手渡す方針だ。